中国で成功する人事!

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社員のメンタルヘルス管理(2)


 中国における労働環境の変化などにより、心の病にかかる中国人社員が増えているようです。
前回に続き今回は、心の病の代表例であるいくつかの症状と企業側の対処についてお話しします。


1.心の病の例


 心の病の代表例にうつ病があります。うつ病とはWHO(世界保健機関)のICD-10という分類によって気分障害や感情障害の一つと定義されており、①抑うつ気分、②興味の喪失、③疲労感、④集中力の減退、⑤自信の低下、⑥罪悪感、⑦将来への悲観、⑧自傷・自殺観念、⑨睡眠障害といった症状があります。一般的に気分が落ち込んだ状態を「うつ」といい、通常であれば時間の経過とともに元に戻りますが、それができずに気分が落ち込んだままになることをICD-10では「うつ病エピソード(Depressive episode)」と呼んでおり、これが一般的に認識されている「うつ病」です。うつ病はどんな人でもかかる可能性があり、特に生真面目で頑固な人やプライドの高い人はストレスに耐え切れずうつ病に掛かりやすいと言われています。またうつ病が長引くとアルコール依存症や薬物依存症につながる恐れもあります。


2.企業の対処


 HRの観点における企業側の対処については、企業は社員がうつ病にかかったことを知った場合、本人と面談の上でプライバシーを守り、情報は最低限の人だけで共有することが必要となります。また、当人がうつ病になった背景を医師や家族の意見も聞きながら判断し、原因の一因が会社側にもあり他の社員にも影響し得る場合には、その改善方法を検討するべきです(例:シフト勤務、風通しの悪い職場環境等)。


3.EAPについて


 企業はうつ病の社員の病気休暇が長引く場合や、社員がアルコールや薬物の依存症になった場合は、社内にEAP(従業員援助プログラム)を策定し運用することで貴重な人的資源である社員を職場に復帰させる機会を作り出すことができます。
 EAPは欧米諸国で普及しているプログラムで、中国でも徐々に認識が広まっています。一般的にEAPの策定には、①問題のアセスメント、②プログラム・コーディネーターの選定、③専門家を含めた委員会設置、④経営側と労組が合意した方針の決定、⑤専門医との連携とプログラムの手順決定、⑥秘密保持及び雇用の保証、⑦保険適用を含めた治療やリハビリの確立、などが含まれます。実際のプログラム策定は、欧米では他社のものを購入するというやり方や、専門家、専門医の意見を取り入れながら策定しているケースが多く見られます。EAPの一環として社員がアルコールや薬物の依存症か否かを判別するために、会社が判別検査(スクリーニング)を行うケースがあり、米国のカーペンターテクノロジー社(ペンシルバニア州、特殊鋼の製造会社)の事例では、社員の採用時に1回、さらに入社後も会社や社員の安全を脅かすような事件や事故の発生時、管理者の判断で随時、健康診断の時期、というタイミングでスクリーニングを行っています。中国の日系企業において経営の現地化が進む昨今、戦力である中国人社員が心の病にかからないとも限りません。企業は万一に備えたEAPについての情報収集と準備を進めるべきだと思われます

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