中国で成功する人事!

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社員のメンタルヘルス管理(1)


 最近何社かのお客様から、社員がうつ病などの精神病にかかったため、その対処の相談を
受けています。日系企業はこの問題にどのように向き合えばよいのでしょうか。


 日本において精神的な疲労(心の病)が原因で長期休暇を取らざるを得ない社員への対処が「メンタルヘルス管理」として近年注目されてきました。この問題は放置すると生産性の低下や人的資源の喪失につながるため企業としても無視し続けるわけにはいきません。今回は心の病にかかってしまった社員への対処についてお話します。


1.心の病の原因


 一般的に心の病の原因で多いのがストレスだと言われています。職場におけるストレスとは人間関係、仕事の量や質、雇用の安定性、会社の将来性、家族の過度な期待などがあります。少し硬い話になりますが、職場におけるストレスと疾病との関連性については、米国国立職業安全保険研究所(NIOSH)の「職業性ストレスモデル」が理解しやすいためここで紹介します。

 このモデルでは、【仕事のストレス要因】(不明確な役割、物理的環境、仕事量、責任、シフト制勤務等)は、それに【個人要因】(年齢、婚姻状態、自尊心等)、【仕事外の要因】(家族からの要求等)、【緩衝要因】(上司、同僚、家族からの社会的支援の多少等)が加わり、【ストレス反応】(職務不満足、抑うつ、身体的な訴え、アルコール・薬物使用等)を引き起こし、それが長期化すると【疾病】へ繋がると説明しています。

 前述のNIOSHモデルでわかるように、同じ【仕事のストレス要因】が複数の人に影響したとしても、それが【疾病】へと繋がるかどうかは、途中に介在する【個人要因】、【仕事外の要因】、【緩衝要因】の多少や強さによって変わってきます


2.心の病を軽減させるために会社ができること


 会社として【個人要因】と【仕事外の要因】の解決は困難ですが、【仕事のストレス要因】のうち「不明確な役割」は人事制度で解決可能であり、【緩衝要因】のうち「上司や同僚からの社会的支援」(例:仕事の指導、対策、支援、風通しのよい職場や企業文化の醸成等)もある程度の対応が可能です。


3.心の病に罹患した方に会社ができること


 一つ目は会社に産業医(中国語は厂医)を置き、医師と会社が共に対策を検討することです。産業医は中国において日本ほど普及していないのが現状ですが、上海では産業医の派遣を扱っている企業もあり検討に値します。また産業医がいれば偽の診断書問題も解決できる可能性が高くなります。

 二つ目は「EAP(従業員援助プログラム)」の導入です。これは会社、社員とその家族、医療機関の三者が協力して、人的資源である社員を心の病から仕事へ復帰させるためのプログラムで、主に欧米諸国でよく使われているものです。EAPについては次回詳しくご説明したいと思います。


4.その他の注意点


 実際には健康であるのに偽の診断書で長期休暇を取るケースも散見されるため、他の病気理由と同じく事の真偽を見極める必要があります。

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