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上海自由貿易区の法制度について(7)

上海自由貿易区で公布された「中国(上海)自由貿易試験区における外商投資による付加価値電信業務経営試行管理規則」などについて解説いたします。


今回は、最近、上海自由貿易区で新たに公布された「中国(上海)自由貿易試験区における外商投資による付加価値電信業務経営試行管理規則」(以下「管理規則」)および「中国(上海)自由貿易試験区文化市場開放項目実施細則」(以下「実施細則」という)について解説いたします。



電信業の開放に関する管理規則


全国レベルの法令では、外国投資家は、最終的な出資比率が49%を超えないこと、基礎電信業務に、最終的な出資比率が50%を超えないという2つの条件を前提に、付加価値電信業務に出資することができます。しかし、実務上では、外資比率が上記の範囲を超えない場合でも、電信業務ライセンスを取得することは非常に難しくなっています。上海自由貿易区では、今回の管理規則の前に公布された法令により、アプリケーションストア業務、コールセンター業務などに関する外資出資比率が50%を超えてもよいなど、外資に対する電信業務の開放措置が打ち出されています。
今回の管理規則は、試験区の外商投資企業が付加価値電信業務の経営に従事する際の条件や申請フローなどを明確にしました。具体的には①区外の規定では、省を跨る付加価値電信業務を行うには最低1000万元、1つの省の範囲内である場合は最低100万元の登録資本金が求められるところ、区内では省を跨るかを問わず登録資本金が最低100万元であればかまいません。②審査認可部門について、区外では国家レベルの工業および情報化部の認可が必要とされているところ、区内では上海市通信管理局が認可し、工業および情報化部に届け出ることになりました。③審査認可手続の所要期間について、区外では工業および情報化部の手続は90日、商務部門の手続は90日、合計180日(実際、1年間以上かかる場合が多い)となっていますが、区内の所要時間は2カ月となりました。自由貿易区の立ち上げの直後に、ウォルマートが出資した「1号店」は、区内で外商投資の付加価値電信業務を取得したことが大きく注目を浴びています。今後、「管理規則」による手続の明確化により、今後、自由貿易区でより多くの外商投資企業が電信業務ライセンスを取得できるようになることが期待されています。


文化産業の開放に関する実施細則


「中国(上海)自由貿易試験区総体方案」および13年9月29日に公布された「中国(上海)自由貿易試験区文化試験区文化市場管理政策の実施に関する通知」により、外資企業による電子ゲーム機などの中国国内向け生産および販売が14年ぶりに解禁されました。また、外商独資の公演マネジメント機構、公演場所経営機構およびエンターテインメント施設の設立が認められした。今回の実施細則は上記開放措置に関する具体的な手続を定めています。
具体的には、電子ゲーム機の製造および販売を行う会社は、上海市文広影視局に、「電子ゲーム遊戯機内容審査確認書」の取得を申請するとされています。公演マネジメント機構(上海市内で業務を展開できる)と公演場所経営機構は、それぞれ上海市文広影視局に関連許可の申請または届出を行う必要があります。また、エンターテインメント施設(自由貿易区内で業務を展開できる)は、自由貿易試験区管理委員会に対し関連許可の申請を求めています。上記の審査認可または届出の手続の所要時間は、いずれも20日とされています。

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