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北京市安理律師事務所
対日両用品目輸出 コンプライアンス対応の解説(上)
2026年上半期、中国商務部は80社の日本企業を輸出管理規制・統制リスト及び注視リストに掲載した。企業には、コンプライアンスを踏まえた輸出ルートの確保と法的リスクへの対応が求められる。本稿は2回に分け、現行の輸出管理政策と対日サプライチェーンのリスクを整理し、輸出ルートについて提言する。
一、中国の対日両用品目輸出に関する現行政策
中国の輸出管理規制に関する法体系は、『輸出管理規制法』と『両用品目輸出管理規制条例』の法律法規を中核としている。2026年上半期に発表された複数の管理規制公告により、「エンティティリストによるレベル別分類+重点品目」という管理統制のフレームワークが構築された。
①管理統制リスト制度
商務部2026年第11号、第27号公告は、三菱造船株式会社など日本の軍事力強化に寄与する日本の実体40社を管理統制リストに掲載した。これにより、リスト掲載企業への両用品目の輸出が禁止され、国外の組織や個人が中国原産の両用品目をリスト掲載実体に移転又は提供することも禁止された。また、現在進行中の関連活動については直ちに停止することが求められている。
②注視リスト制度
商務部2026年第12号、第28号公告は、株式会社SUBARUなど日本の実体40社を注視リストに掲載した。これらの企業にはより厳格な最終需要者及び最終用途の審査が実施され、日本の軍事需要者、軍事用途に関わる、及び日本の軍事力強化に寄与する輸出は許可されない。なお、リスト掲載企業が検査への協力義務を履行した場合には、注視リストからの除外を申請することができる。
③一般的な軍事関連の管理規制
商務部2026年第1号公告は、上記リストに掲載されていない場合であっても、日本の軍事需要者、軍事用途に関わる、又は日本の軍事力強化に寄与するその他の最終需要者と最終用途についても、同様に両用品目の輸出を禁止するとしている。
④重点品目の管理統制メカニズム
商務部2026年第26号公告は、戦略的鉱物資源両用品目の輸出管理規制に特化した違法・違反行為の通報処理メカニズムを詳細に定め、通報の受理範囲、確認手続、回答期限を明確にしており、戦略的鉱物資源両用品目が現在の監督管理の重点分野となっていることを示している。
二、対日サプライチェーン企業が直面する課題
新規定の施行以降、対日サプライチェーン企業は主として次のコンプライアンスリスクに直面することになる。
①品目分類の判断が困難
両用品目は、核、生物、化学、ミサイル、電子、コンピュータなど多岐にわたる分野におよび、品目は雑多で、パラメータも複雑である。多くの企業は自社製品が管理規制品目に該当するか否かについて正確な判断力を欠いており、「管理すべきものを管理しない」、又は「一律輸出しない」といった事態が容易に生じる。
②最終需要者と最終用途の特定が困難
中国の対日輸出は原材料又は中間製品である場合が多く、国外での取引チェーンが長く、多くの段階を経る。複数の販売店や加工企業を経由して再販売される可能性があり、最終需要者と最終用途を見極めることが困難である。特に、注視リストに掲載された企業に関わる取引では、軍需需要者や軍事用途へ流れる可能性について徹底したスクリーニングが必要となる。
③許可申請の経験不足
一部の企業は、これまでの対日輸出では許可を必要としなかったことから、申請書類、審査基準、手続期間などについての理解が不足している。そのため、書類の不備や適時に申請しなかったことにより許可が却下され、場合によっては処罰の発動につながりやすい。
④第三者再販売のリスク
第三国や第三者を経由する再販売であれば規制を回避できると認識している企業があるが、中継貿易であっても同様に法的リスクに直面する。
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