キーマンインタビュー

養楽多(中国)投資有限公司
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総経理 渡邉 雅也 氏 2026年9月号

医学博士の理念で
世界に広がる
健康価値を創造

「医者から生まれたヤクルト」という理念のもと、世界の人々の健康づくりに貢献してきたヤクルト。中国ヤクルトでは2003年の上海販売開始以降、3工場・151拠点を展開し、急速な成長と変化に対応しながら事業を拡大してきた。2025年より総経理として中国事業を統括する渡邉氏に、現場主義を軸とした経営と、中国発の価値創造についてお話を伺った。 



医の理念が生んだヤクルト

私はまず、「医者から生まれたヤクルト」という創業の原点からお話ししたいと思います。当社の歴史は、ビジネス起点で起業された一般的な企業とは少し成り立ちが異なります。20世紀初頭、日本の医学博士であった創業者・代田稔が、「病気にかかってから治療するのではなく、病気にならない身体をつくる」という予防医学の想いを抱いたことから始まりました。当時まだ衛生環境や栄養状態が不十分だった日本において、代田は感染症で命を落とす子どもたちを救いたい一心で研究を重ね、生きたまま腸に届き有用な働きをする「乳酸菌 シロタ株」の強化培養に成功しました。この発見を一人でも多くの人々へ届けるため、製品化されたのがヤクルトです。
中国ヤクルトもこの創業理念である「世界の人々の健康づくりに貢献する」という使命を重んじ、2003年に上海市場へ参入して以来、高品質で安全・安心な製品を提供し続けてまいりました。現在中国ヤクルトでは、3つの工場と151カ所に及ぶ営業拠点を構え、従来の宅配や量販店のみならず、EC、自動販売機、学校、企業給食など多様なチャネルへと供給網を広げています。海外市場で自販機事業を本格展開しているのは中国のみであり、電子決済の急速な普及という最先端のインフラを強みに成果を上げています。
また、市場のニーズに対応するため、2024年にピーチ味、2025年にマスカット味、そして本年はマンゴー味と、中国発のフレーバー商品を相次いで展開してきました。中国では大容量化のご要望を多くいただきますが、ヤクルトは「毎日続けて飲むこと」を大切にしています。
特徴的な「こけしボトル」は、持ちやすく、1回で一気に流れ込まないよう工夫されており、少量でもしっかり味わってお飲みいただけます。毎日継続して飲用することで、「乳酸菌 シロタ株」が常に腸内に存在し、働き続けるため、腸の健康づくりに役立ちます。この小さなボトルには創業者の想いが込められており、その価値を丁寧にお伝えし、共感と納得を得ることで、独自の健康文化の浸透を図っています。
(※中国ヤクルトの事業エリアは、広東省、海南省、香港、マカオ、台湾を除きます)。

現場主義と挑戦の風土

私はメキシコやベトナムでの現地駐在を経て、2022年9月に営業責任者として上海へ着任し、2025年からは総経理として経営全般を統括しております。現在も営業責任者を兼任しているため、沿岸部の大都市圏にとどまらず、内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区に至るまで、中国本土全域の拠点を自ら精力的に巡回しています。広大な中国は地域ごとに言語や文化、習慣が大きく異なり、市場の変化速度も圧倒的です。だからこそ私が経営において最も重視しているのは、「現場」そのものにあります。従事者や取引先、そして消費者の方々の生の声を直接聴き取り、その変化を素早く経営判断へ反映させることが私の役割だと考えています。
海外勤務を通じて培った、先入観を持たないフラットな視点によって、多様な背景を持つローカル社員と共に共通の目的へ向かう強力なチームづくりを推進しています。激しい環境変化の中では、過去の成功体験だけに固執していては生き残れません。そこで私は、社員一人ひとりが主体的に行動できる風土づくりを進めてきました。
「挑戦した数だけ成果につながる」を意味する「挑戦代表銷量」をスローガンに掲げ、各自が本業に加えて新たな領域の能力を磨く「二刀流」の成長を後押ししています。さらに、日本やベトナム、インドネシアでの海外幹部研修を実施し、他国の現場から直接学びを得る「自発的な気づき」を促してきました。トップダウンの命令ではなく、社員一人ひとりが「やってみよう」と思える空気感を作り出すことこそ、経営者として果たすべき大切な役割であると考えています

中国発の価値創造と未来像

世界最大級の消費市場である中国は、ヤクルトグループにおいて単なる売上規模の拡大拠点にとどまらず、新たな価値を創造する重要な拠点と位置づけられています。実際に中国で先行して発売されたフレーバー商品は、日本や東南アジア、さらには中南米へとグローバルに横展開され、グループ全体の成長に大きく寄与しています。デジタル技術やECの活用、高度なマーケティング手法など、最先端の市場で培った知見は、今後の世界戦略においても大きな強みになると考えています。
現在、私たちが特に力を注いでいる取り組みは主に3つあります。1つ目は変化に対応できる柔軟な人材育成、2つ目は競争社会で強いストレスに直面する子どもたちの健やかな成長を支える学校市場でのファンづくりです。本年8月には学校専用商品として「ヤクルトミニ」の展開を開始し、若い世代の健康づくりを応援しています。3つ目は地域社会に根差した社会貢献活動です。砂漠化が進む地域での植樹活動や、赤十字基金会と連携した腸の健康啓蒙を継続するほか、2026年には上海少年野球連盟主催の「ヤクルト華東杯」のスポンサーを務め、スポーツを通じた健全な青少年の育成と国際交流に貢献しております。
医学博士の理念から始まった原点を未来へと引き継ぎ、単に商品を販売するだけでなく「健康づくりといえばヤクルト」と真っ先に連想していただける存在になることが私たちのミッションです。時代や環境が変わろうとも挑戦を止めず、中国社会から永く必要とされる企業を目指して歩みを進めてまいります。


上海赴任も4年目を迎えました。中国各地を飛び回り、その圧倒的なスケールと歴史や文化の深さに魅了され続けています。これからもこの変化の激しい市場で、より長く挑戦を続けていきたいと思っています


支店移転に伴う開業式での一コマです。うれしい時はいつも社員みんなで分かち合います。新たな挑戦への期待を胸に、一丸となってスタートを切りました

プロフィール Masaya Watanabe
東京都出身。日本体育大学体育学部卒業後、株式会社ヤクルト本社に入社。ラグビー選手と業務を両立しながらキャリアを重ね、首都圏営業責任者、メキシコヤクルトサブダイレクター、ベトナムヤクルト営業取締役などを歴任。2022年9月に営業責任者として上海へ赴任し、2025年より養楽多(中国)投資有限公司の総経理に就任(営業責任者兼務)。

渡邉さんをさらに知る

座右の銘


座右の銘として大切にしている言葉です。「挑戦の数が成果につながる」という考えと、本業に加えて新しい領域の能力も磨く「二刀流」の姿勢を大切にしています。

リフレッシュ方法


出張の際に各地の歴史や文化に触れることが良い気分転換になっています。写真は内モンゴル自治区へ出張した際に行われた、現地社員たちとの懇親会の様子です。


青少年の育成支援と地域貢献


スポーツを通じた青少年の育成を支援しています。写真は2026年6月7日に実施された、上海少年野球連盟主催「ヤクルト華東杯」開会式での写真です。

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住所 普陀区真如副中心礼尚路69号 18棟1803-1814単元 MAP
電話 021-5010-8358

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