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『営業秘密保護規定』の解説 その① ~営業秘密の構成~
2026年6月1日から、中国国家市場監督管理総局『営業秘密保護規定』(国家市場監督管理総局令第126号、以下「『規定』」という)が正式に施行され、21年間に亘って施行されていた『営業秘密侵害行為の禁止に関する若干の規定』が廃止された。
『反不正競争法』第10条に基づくと、「営業秘密」は、技術情報、経営情報等の商業情報であり、かつ3つの構成要件、①公衆に知られていないこと(非公知性)、②商業的価値を有すること(有用性)、③権利者が相応の秘密保持措置を講じていること(秘密管理性)を満たしていなければならない。
一、営業秘密の情報類型の列挙
『規定』第5条には、営業秘密を構成する一般的な技術情報と経営情報が非網羅的に列挙されている。例えば、技術と関係する構造、原料、配合、材料、サンプル、デザイン、工程、方法、データ、アルゴリズム、コンピュータプログラムおよびコード等の技術情報並びに経営活動と関係する創意、管理、販売、財務、計画、サンプル、顧客情報、データ等の経営情報である。このうち、顧客情報には、顧客の名称、住所、連絡先等の一般情報と取引慣例、意向、内容等の詳細情報が含まれていなければならない。
二、営業秘密の構成要件の細分化
『規定』第6条から第9条では、営業秘密の「非公知性」、「有用性」、「秘密管理性」の具体的な内容と範囲が細分化されている。「非公知性」については、その要件を判断する時点が「営業秘密侵害嫌疑行為の発生時」であり、この時点で当該情報がその分野の関係者にとって「一般的に知られておらず」、かつ「容易には知ることができない」ものでなければならないことが明らかにされており、さらに「非公知性」を有しない状況が非網羅的に列挙されている。例えば、一般常識または業界慣行、市販の製品を観察することで直接知ることができる製品のサイズ、構造および材料、出版物、メディア、報告会、展示会等の方法で公開された商業情報である。また、それ自体は「非公知性」を有しない情報であっても、整理、改良又は加工によって「非公知性」を得て、営業秘密として保護を受ける可能性があることが明らかにされている。例えば、「非公知性」を有しない情報の一部または全部を組み合わせた組合せ情報は、その組合せ情報全体が「非公知性」を有する可能性がある。
「有用性」については、商業情報が現実的または潜在的な商業的価値を有し、権利者に商業利益又は競争優位をもたらすものでなければならないことが明らかにされている。例えば、資産の増加、利用者数の増加、コストの低下、研究開発時間の短縮、のれん(営業権)の増加等である。さらに、段階的成果または失敗した実験データや技術方案も、上記の条件を満たしさえすれば「有用性」を有する商業情報に属することが明らかにされている。
「秘密管理性」については、秘密保持措置が営業秘密およびその媒体の性質並びに営業秘密の商業的価値等の要素に見合った、営業秘密漏洩防止のための合理的なものでなければならないことが明らかにされており、さらに一般的な秘密保護措置が非網羅的に列挙されている。例えば、秘密保持契約または秘密保持条項、書面による告知、研修、規則制度等の方法で秘密保持を求めること、秘密にかかわる生産経営場所への立入りの禁止または制限、権限レベルの設定、データの非特定化、操作ログの記録等の技術的な秘密保持措置を講じること、マーク付け、分類、隔離、暗号化、封印、接触者の範囲の制限等により営業秘密および媒体に対する区分管理を行うこと、コンピュータ設備、ネットワーク設備、ストレージ設備等に対する使用、アクセス、保存、複製等の禁止または制限措置を講じること、退職者に秘密保護措置を講じるまたは秘密保護義務を負うよう求めること、である。
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