キーマンインタビュー

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三菱地所(上海)投資咨詢有限公司
董事長・総経理 布野 龍一郎 氏 2026年6月号
進化する中国で描く
三菱地所の「まちづくり」
中国不動産市場が転換期を迎える中、三菱地所グループはどのような戦略で事業を推進しているのか。市場環境が変化する中での事業方針や、「晶耀虹橋Crystal Bridge」プロジェクトに込めた想い、今後の展望について、「三菱地所(上海)投資咨詢有限公司」董事長・総経理の布野氏にお話を伺った。

三菱地所の中国事業拠点である「三菱地所(上海)投資咨詢有限公司」は、2011年の駐在員事務所進出以来、中国における不動産投資・開発を推進、グループとしては建築設計、建物運営管理コンサルティングなどの分野でも事業展開しています。これまでに20を超える不動産プロジェクトに参画しており、現在も「晶耀虹橋Crystal Bridge」や「蘇州Alpha Park」「杭州Alpha Park」「偉峰東域」「比斯特上海購物村」など、複数のプロジェクトに携わっています。
グループ全体では、“世界一のデベロッパー”を目指し「長期経営計画2030」において海外アセット事業の成長を掲げており、中国も無視できない重要な市場の一つと位置づけています。中国進出から15年の間で一定の知見や実績は積み上げてきたものの、いまだ中国不動産市場の特異性を痛感することも多々あります。こうした認識のもと、中国での開発は現地有力パートナーとの協業を基本方針としています。パートナーとそれぞれの強みを活かした役割分担を行い、互いに学習しあいながら、より実効性の高い開発・運営へとつなげています。
昨今の不動産市況の影響もあり、現在は積極的に新規投資を拡大していく局面ではありません。その一方で、これまでに取り組んできた大型案件が複数ありますので、現在はそれらをいかに着実に軌道に乗せていくかがミッションです。
また、中国では出資・投資管理に留まる案件が多い中、上海・虹橋地区で推進中の「晶耀虹橋Crystal Bridge」においては、日本人に馴染みのあるエリア特性を活かし、日系企業向けオフィスや店舗のテナント募集窓口といったより直接的なプロジェクト現場での業務にも携わっています。
大規模複合開発プロジェクト「晶耀虹橋Crystal Bridge」
オフィスゾーンでは、2,000㎡を超える大規模フロアプレートを活かし、柔軟かつ効率的な業務環境を創出します。商業ゾーンにおいても、飲食店を中心に厳選したテナントを誘致し、日常的に利用しやすく、魅力ある空間づくりを進めています。さらに、開放的なサンクンガーデンを整備することで、地上と地下・駅を一体的につなぐ回遊性の高い公共空間として演出し、街により一層の賑わいをもたらす計画です。
本プロジェクトにおいて今後注力していきたいのが、入居企業同士の“横のつながり”“インタラクション”を生み出すことです。入居企業や出店店舗同士をつなぐことで、新たなビジネス機会や情報交換の場を提供できればと考えています。ビジネスに直結するマッチングはもちろんですが、それに限らず、入居企業同士が気軽に交流できるコミュニティとしての機能も持たせていきたいです。
また、来街者や周辺住民の方々にも親しまれる場として、「晶耀虹橋Crystal Bridge」を単なるオフィス・商業施設にとどめるのではなく、人と人をつなぐハブとして育てていくことが目標です。上海における生活や事業活動の拠点として、日本人・日系企業の皆様にも広くご活用いただければ心から嬉しく思います。現在、モデルルームのご案内も行っておりますので、オフィス移転や店舗出店をご検討の際は、ぜひご相談ください。
足元では、不動産市場の低迷や過当競争といった厳しい状況に直面しています。日本でも同様の時代はありましたが、都心部の再開発は着実に進められ、経済全体とともに回復・活性化してきました。中国においても、テック分野をはじめ世界を牽引する産業は多く、不動産市場についても時間の経過とともに市場サイクルが一巡すれば、都心部から回復してくると見ています。
かつて中国の内需の柱であった不動産業界は現在、転換期を迎えています。中国政府の政策上も郊外開発区の面的拡大から、大都市における再開発(都市更新)へと重点が移行しつつあります。「晶耀虹橋Crystal Bridge」も、虹橋開発区における都市更新の重点プロジェクトの一つであり、今後もこうした動きに継続的に関わっていきたいと考えています。
今後の中国事業における目標は、まずは「晶耀虹橋Crystal Bridge」等の開発フェーズのプロジェクトを確実に成功へと導くことです。入居企業や周辺住民の方々に喜んでいただき、街にしっかりと貢献できる存在となることを目指しています。そうしてこれからも、住む人、働く人、訪れる人、すべての人に幸せになっていただけるまちづくりを進めてまいります。

仕事柄世界各地の都市を見ていますが、上海は西洋建築が残る街並みや、最新開発エリア、郊外江南小鎮などいくつもの魅力を複合的にあわせもつ、世界的にも魅力の高い都市であると断言できます。

まちづくりの会社なので、現地社会に貢献したいとの意識からゴミ拾いをスタート。日本人らしい行動ですし、街も自分の心も綺麗になった気がします
プロフィール Ryuichiro Funo
愛用アイテム

役職柄サインすることが多く、万年筆を愛用しています。日常的に使う中で愛着も湧き、筆先が自分の書き癖に馴染んでくるので心地よいです。

安徽省にある九華山に会社のスタッフと毎年通っています。地蔵王菩薩が祭られている中国仏教の聖地のひとつで、不動産関係には特に御利益があると言われています。
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