キーマンインタビュー

奥卡姆拉(中国)有限公司
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奥卡姆拉(中国)有限公司

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董事長 松本 伸一 氏 2026年3月号

「人を想い、場を創る。」
豊かな発想と確かな品質で
人が活きる環境づくりを実現

働き方の多様化が進む中、オフィスは単なる「働く場所」から、人と企業を活性化させる空間へと進化している。そうした中、オカムラグループは中国市場においても人を中心に据えた環境・製品づくりを追求している。中国事業の役割や未来像について、董事長の松本氏にお話を伺った。 



「人が活きる環境」を中国へ

1945年に創業した「株式会社オカムラ」は、スチール家具全般や産業機器、商品陳列機器の製造・販売などを中心に、「人が活きる環境づくり」を通して、社会に貢献することを目指しています。2004年に設立された「奥卡姆拉(中国)有限公司」もその想いをつなぎ、BtoB・BtoC向けチェア販売、オフィスの内装工事や什器販売、中国の部品・部材の購買および輸出など、幅広い事業を展開しています。現在は上海、北京、成都に拠点を構え、杭州には自社工場を設置しています。
近年は特にオフィス関連ビジネスに注力しており、働き方の変化や企業ニーズの高度化に対応した空間提案を強化しています。中国は、オフィスワーカーの人口がアメリカに次ぐ世界第2位の巨大オフィス市場であり、競争は激しい一方で、それだけ大きな需要を持つ成長市場でもあります。そのため当社は、オカムラグループにおける重要な戦略拠点であると認識しています。また、中国から世界へ輸出される部材の品質は年々向上しており、そうした高品質な部材を日本へ供給するサプライチェーン機能としての役割も担っています。
当社の強みは、杭州の自社工場と現地OEM工場が役割を分担し、生産・組み立てを行う点にあります。中国を生産拠点、そして製品情報の発信基地として、東南アジアやヨーロッパ、オーストラリアへも製品を輸出しています。
自社工場でもOEM工場でも、すべての製品において「オカムラブランド」としての品質基準を徹底しています。OEM工場であっても日本基準をクリアする品質管理を行い、日系メーカーならではの信頼性とクオリティを大切にしています。加えて、座り心地や耐久性といった本質的な価値の追求にも妥協はありません。

日系メーカーとしての強み

私は2024年4月から上海に赴任し、現在「奥卡姆拉(中国)有限公司」「奥卡姆拉(上海)実業有限公司」「杭州奥卡姆拉家具有限公司」の董事長を務めています。当社では日系企業と非日系企業(中国・欧米企業)でアプローチ方法が分かれており、日系企業に対してはオフィス全体をプロデュースするトータルソリューションを提供し、非日系企業にはチェアなどの製品単体での提案が中心となる場合が多いです。
オフィスデザインおよび内装工事については、シンガポール系デザイン会社「db&b」と共同で行っています。日系デザイン会社ではあまり見られない、ダイナミックで斬新なデザインを強みとしつつ、日系企業が重視する効率性、働き方、コスト、社風の反映といった要素を、日系の当社ならではの知見で融合させた提案を行っています。
また、オカムラグループでは「LABO Office」という働き方の実証実験を行う拠点を日本に9カ所設置しています。これは、各オフィスにテーマを設け、当社グループ社員自らが働きながら理想的なオフィス環境を研究する「働き方の実験場」です。「LABO Office」は見学も可能ですので、ホームページよりぜひお気軽にご予約ください。
中国で事業を進める中で感じる大きな課題は、競合の多さと開発スピードの速さです。ただ、椅子という製品は見た目や価格だけでは本当の価値が伝わりません。実際に座ってもらって初めて評価されるものなので、当社では「座り心地」に最も力を入れています。実際に当社のチェアは、モックアップに参加して座り比べをしてもらった際に、その「座り心地の良さ」で選ばれることが多いです。
開発スピードにおいてローカル企業と同じ土俵で戦うのは容易ではありませんが、当社はスピードよりも品質を重視しています。欧米市場では8年、10年という長い保証期間が求められますので、流行を追って短命な製品を出すよりも、長く使い続けられる定番商品を丁寧に作ることが、結果として信頼につながると考えています。ここに、日本のものづくりの強みがあると感じています。

オカムラ中国の未来像

現在、中国で特に力を入れている取り組みは大きく3つあります。1つ目は、非日系企業向けのチェア販売で、今後はBtoC・EC向けの販売を本格化させていきます。2つ目は、先述した「db&b」との協業によるデザイン内装の提案、そして3つ目は、日本工場への部品供給です。近年、日本国内でも価格競争が激しく、例えば店舗什器などは中国で生産するほうがコストも抑えられます。そこで、中国で生産した部品や製品を有効活用し、日本市場へ供給する体制を整えています。
今後の中国事業においては、日系企業の数が大きく増えない中で、非日系、特に中国企業や欧米企業への販売拡大が重要なテーマとなります。守りの面では、これまで築いてきた日系企業のお客様に対し、チェアだけでなく空間づくりまで含めたトータルソリューションを丁寧に提供してまいります。一方で攻めの面では、非日系企業向けのチェア販売を強化し、中国におけるミドル〜ハイレンジチェア市場の獲得を目指します。価格競争やスピード勝負に陥りやすいローエンド市場には踏み込まず、品質と価値で選ばれる領域に集中する方針です。
中国事業を通じてオカムラグループとして実現したいのは、中国拠点を海外拠点の中で最大の売上・利益を生み出す存在にし、海外事業におけるリーディング的存在へと成長させていくことです。そして、「このオフィスで働きたい」「会社に来たい」「自然とコミュニケーションやイノベーションが生まれる」と感じていただける価値ある空間を、一つでも多く生み出していきたいです。今後も当社グループのミッションである、豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献してまいります。


上海はITの進歩や洗練されたビル群などで先進性を感じる一方、街中には緑と花が多く癒され、優しい人が多いので住み心地が良いです。また、スマホで何でもできる利便性の高さは、中国での生活をさらに楽にしてくれています。


「デザイン上海」出展時の展示です。チェアを分解展示して、完成品のデザイン性に留まらず、部品のデザイン性やサスティナブル性をPRしました

プロフィール Shinichi Matsumoto
1966年生まれ、大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、1989年に「株式会社オカムラ」入社。2016年よりタイ・バンコクへ現地法人社長兼東南アジア統括部長として赴任。2024年より中国統括部長兼董事長に就任し来海。現在は「奥卡姆拉(中国)有限公司」「奥卡姆拉(上海)実業有限公司」「杭州奥卡姆拉家具有限公司」の3会社を統括する。

松本さんをさらに知る

大の旅行好き


旅行が好きで日本は全都道府県、世界は41カ国を巡りました。自然の景観を見るのが一番好きです。いつかは世界一周旅行をしてみたいです。

ホールインワンは3回達成!


若手営業の頃、上司から酒かゴルフのどちらかを覚えるよう命じられ、ゴルフを覚えました。タイ駐在時代はゴルフ全盛期で、その頃が一番上達しました。


学生時代は柔道部に所属


クラブ活動は柔道部に所属していました。60キロ級に出ていましたが、いまや75キロに。中国の故事成語「柔よく剛を制す」の精神でビジネスも進めていきます。

奥卡姆拉(中国)有限公司

住所 普陀区大渡河路556弄1号国浩長風城南楼7階6-8単元 MAP
電話 021-6226-5589

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