キーマンインタビュー

- ビジネス記事
- キーマンインタビュー
日中経済協会
上海事務所・成都事務所 所長 信澤 健夫 氏 2026年1月号
健全で持続的な発展
のために取り組む
1972年の日中国交正常化以降、半世紀以上に亘り日中経済交流を支えてきた「日中経済協会」。中国政府や日中経済界との幅広いネットワークを生かし、中国経済の最前線で両国の関係構築に取り組む同協会について、上海事務所・成都事務所所長の信澤氏にお話を伺った。

「日中経済協会」は、1972年の日中国交正常化に伴い、それ以前に日中間の重要なパイプ役を果たしてきた「LT貿易」と「MT貿易」の各事務所が築いてきた信頼関係と業務を継承する公益法人として設立されました。広範な産業界の支援のもと、長年に亘る対中交流の実績と豊富なノウハウを活用し、日系企業の対中ビジネスを支援しています。
設立以来、日中経済関係の専門団体として、両国間の経済交流の健全な発展に貢献すべく、さまざまな活動を行っています。主なものとしては、経団連や日本商工会議所とともに派遣する「日中経済協会合同訪中代表団」や、中国政府および各界リーダーの訪日招聘、地方省市の指導者や経済関係機関との交流、「省エネ・環境総合フォーラム」に代表される各種交流活動などがあげられます。なかでも「日中経済協会合同訪中代表団」の派遣は、年に一度、中国のトップリーダーの方々と直接顔を合わせ、日本の経済界を代表して日中間の経済活動に関する提言を行う重要な機会となっています。
その意味で、当協会の特徴は、日本の産業界が抱えるさまざまな課題や、中国でビジネスを展開するうえでのニーズを取りまとめ、中国側の経済関係機関、ひいては国家指導者クラスと直接対話できるパイプを有している点にあります。
私自身は、2025年5月に上海事務所・成都事務所の所長として赴任し、華東・西南地域における日中経済交流の発展のための活動に取り組んでいます。また、省政府や市政府の関係者、投資促進機関はさまざまな誘致・交流活動を行っておりますので、そうした関係機関との間で、双方にとってメリットのあるビジネス機会をどのように創出していくかについて、きめ細かくやり取りしています。そのためには、日系企業の皆様を取り巻く現状や、事業推進に向けた考えを的確に把握することが不可欠であり、日頃から幅広くお話を伺うよう心掛けています。企業の皆様はもとより、中国政府関係者と接する機会も多くありますが、やはり最後は人と人との結びつきとなりますので、直接顔を合わせてのコミュニケーションを通じて、相互に信頼関係を築けるよう努めています。
中国でビジネスをしていると、好調な時期とそうでない時期の波がたびたび繰り返されます。だからこそ、状況が厳しい局面においては互いに顔を合わせ、冷静に意見を交わすことが大事なのではないかと考えています。経済は人々の生活と切り離せないものであり、また日中間の経済関係がこの50年間で極めて緊密なものとなっていることの背景には、日系企業の皆様があらゆる工夫を重ねながら事業を継続されてきたことが大きく深く関わっていると思います。
ですから我々を取り巻く環境が厳しい時こそ、互いにできることを地道に積み重ね、より広い視野を持つことが大切であると考えています。厳しい状況は永続するわけではなく、これまでも幾度となく転機を迎えてきました。今後、再び良好な交流を実現するための充電期間として、現在の状況を前向きに捉えています。
2024年にはビザ免除措置が実施され、人々の往来が活発になってきました。多くの人が自由に行き来し交流を深めることで、両国間の絆がさらに強固なものとなることを願っています。そしてまた、私自身もその一員であるという自覚を持ち、個人としてだけでなく、当協会にとっても将来の財産となるような仕事を積み重ねていかなければならないという責任を感じています。現在の取り組みが、5年後、10年後、さらにその先へと受け継がれる価値あるものとなるよう、日々業務に向き合っています。
時代ごとのニーズに応じて、多様な人材がさまざまな発想を持ち、ビジネスに携わっています。また、こちらで新たに起業する若い方々の溢れんばかりのエネルギーに接して、大変な刺激を受けています。そうした動きを見ていると、ビジネスは困難を伴う一方で、大きな魅力と面白さがあり、最終的には我々の日常生活と密接に結びついていることを改めて実感します。
経済は常にダイナミックに変化していますので、社会の流れに応じた工夫を重ねていくことが重要だと思います。AI分野をはじめ、新たなビジネスが次々と生まれる中で、日中双方がそれぞれの強みを共有し、互いに不足する部分を補完することで、両国の経済発展につながる新たな萌芽が生まれることを期待しています。
そのためにも、中国でビジネスを進めるうえで必要となる情報収集や課題克服などについて、今後も企業の皆様向けにサポートサービスを継続していきます。また、当協会の理念である日中経済交流の健全かつ持続的な発展を実現するため、常に情報や知識のアップデートに努め、企業の皆様が安心してビジネスに取り組める環境づくりを進めてまいります。

今回の駐在では、IT化、DX化が日常生活の隅々にまで浸透し、実用化されていることを日々実感しています。特に、スマホひとつであらゆることができてしまい、それが当たり前のように人々の間で使いこなされていることは、変化のスピードを直に肌で感じることのひとつです。

輸入博の行事をはじめ、中国政府が主催するイベントなどで、日系企業のビジネスチャンスにつながる場や機会の提供を地方政府に呼びかける活動も行っています

ダイビングを楽しむ

90年代の海外駐在をきっかけに、ダイビングをするようになりました。毎年ダイビングへ出かけ、青い空と海の下で最高のひと時を過ごしました。

上海では日本人による多種多様な活動が活発に行われており、私は「上海コールプラタナス」という混声合唱団で、仲間とともに楽しく充実した演奏活動をしています。
合わせてチェックしたい!
-

ビジネス記事キーマンインタビュー
- 上海凱迪迪愛通信技術有限公司
- 董事長・総経理 甫足 空 氏 2025年12月号
-

ビジネス記事キーマンインタビュー
- 三菱倉庫(中国)投資有限公司
- 董事長・総経理 塩入 康男 氏 2025年11月号
-

ビジネス記事キーマンインタビュー
- 蘇州新鋭電子工業有限公司
- 董事長 福島 伸一 氏 2025年10月号
-

ビジネス記事キーマンインタビュー
- 宝酒造食品有限公司
- 営業本部長兼上海分公司総経理兼広州分公司総経理 古賀 照康 氏 2025年9月号
-

ビジネス記事キーマンインタビュー
- 野村綜研(北京)系統集成有限公司 上海分公司
- 副総経理 益田 俊行 氏 2025年8月号
-

ビジネス記事キーマンインタビュー
- 上海高島屋百貨有限公司
- 董事長 竹ヶ原 賢之 氏 2025年7月号














