キーマンインタビュー

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大連好侍食品有限公司
大連好侍食品有限公司 総経理 白﨑 元晴氏 2025年8月号
人々に「新しい」「うれしい」をつくる

中国事業の歩み
ハウス食品グループ(以下、ハウス)の中国事業は、好侍食品(中国)投資社と大連好侍食品社(以下、大連好侍)、上海好侍食品社(以下、上海好侍)、浙江好侍食品社(以下、浙江好侍)の3つの生産法人で運営しています。そのなかで大連好侍は北方での生産拠点としてカレールウ・カレーフレークを中心に家庭用・業務用の製品を幅広く生産しています。カレーの他にもおでんの素や日本向けの輸出製品(炊き込みご飯の素等)も製造しています。ハウスの中国での事業スタートは、まだカレーライスが中国の方にあまり知られていない1997年まで遡り、上海市中心部に中国初の本格的日本式カレーレストランである「上海カレーハウスレストラン」をオープンしました。レストラン事業のテストマーケティングから始め、家庭用・業務用のカレー製品の製造・販売へと事業を拡大していきました。開店後3カ月間での来店者の約9割が中国のお客様だったこと、ピーク時には1日の来店客数が300人に達したこともあったとのことで、当時のレストラン運営の責任者はお客様がカレーライスをおいしそうに召し上がっている姿を見て、「中国でもカレーは成功する」と確信したという逸話が社内に残っています。
その後、2002年のレトルトカレー味嘟嘟(ウェイドゥドゥ)の発売を経て、2004年に上海好侍が生産を開始し、2005年に百夢多(バーモント)カレー・爪哇(ジャワ)カレーを発売しました。しかし、カレーを知らない人に家庭で作って頂くのは容易なことではなく、当時から、年間3万回の試食デモ販売、親子料理教室、学校給食のメニューなど様々に工夫してきました。限られたリソースの中であらゆる試行錯誤をしながら、少しずつカレーを広めていきました。2010年代中頃から事業が軌道に乗り始め、2014年に大連で、2018年に浙江省平湖市で新しい拠点での生産が開始されました。2022年にはパンデミックが発生し、生産拠点の一つである上海好侍はロックダウンで操業が停止し、大連好侍でも急遽増産が必要となりました。会社に泊まり込みで生産を続けてくれた社員の献身などがあって増産対応が出来たのも事実ですが、お取引先様のご協力があってこそ、非常事態での困難を乗り越えることが出来ました。
短期の出張から大連駐在への転換
私の中国経験は、2022年の1月から始まりました。出張ベースですが、浙江好侍の2期、3期工事を担当し、家庭用ルウラインの増強及び業務用ラインの新設に従事していました。建屋内に空調が設置される前の夏場は非常に暑く、激務もあって月2kgのぺースで減量したほどでした。大連に赴任して間もないですが、社員旅行や520の特別日など、会社が様々な計画をし、私と社員たちが触れ合えるチャンスを作ってくれています。そして、私を気持ちよく受け入れてくれた社員へ、感謝の気持ちを込めて全社員分のバラを準備しました。想像以上に良い表情をしてくれて、逆に感激させられました。良きスタートであり、良き思い出にもなりました。現職に就いてから、消費者の方々の前で話す機会が格段に増えました。度々で恐縮ですが、「カレーを国民食にする」という想いの表現方法はまだまだ未熟だと感じています。今後も表現方法の一つとして、日中友好イベントには積極的に参加していく所存です。仕事においてもプライペートにおいても、かけがえのない駐在生活となるようにしたいと思います。
食で中国社会に貢献する企業を目指す
「ハウス食品」と聞くとカレー・シチューをイメージされるかもしれませんが、実はハウスは日本や中国でのカレー事業のほか、米国での豆腐、東南アジアでのビタミン飲料など、全世界10数ヵ国・地域で様々な事業を展開しています。中国事業の規模は、日本以外のエリアでは、米国に次ぐ2番目の規模です。
ハウスは自ら価値提供する領域を「スパイス系」「機能性素材系」「大豆系」「付加価値野菜系」の4つに定め、この領域でグローバルに拡大しつつ、「食で健康」をお届けしていこうとしています。そのなかで中国事業はカレー・スパイスを中心とする「スパイス系」の領域でグループのグローバルな成長を牽引する重要な役割を担っています。実際、上海・北京を筆頭に沿岸都市部ではある程度カレーが食べられていて、大連も中国のなかでは比較的カレーライスが普及している地域です。それでも、中国全土にはまだまだ「カレー」を食べたことが無い方が沢山いるので、中国にはまだまだ成長のポテンシャルがあると考えています。食品メーカーとして中国で事業を推進するに当たって「文化の違い」「生活の違い」を製品づくりに活かしています。それが顕著に表れているのが、「百夢多カレー」です。「百夢多カレー」のコンセプトは日本とまったく同じで「家族みんなで食べられるマイルドなカレー」です。中国の家庭でよく使うスパイス「八角」をルウの香りに加え、見た目も、中国の方がおいしそうと思う「黄色」になっています。裏面表示に関しても、中国の「百夢多カレー」の作り方では「中華鍋」を前提にした表現にしていて、「カレーを初めて食べる人」は「カレーを初めて作る人」でもあるので、「カレールウとは何か?」という説明もパッケージの裏面に追加しています。
「中国中の家庭、人々に『新しい』『うれしい』をつくる」というのが我々のビジョンです。そのなかで「食で中国社会に貢献する企業」「新価値を創造する企業」といった評価・評判を皆様から得られる企業になりたいと考えています。ビジョンに近づいていく過程で、中国でより多くの方にカレーライスを広げていきます。中国でも麺やパン、カレー味のおかずなど、カレーライス以外の形への変化は十分にありえます。既に中国の伝統料理のカレー味も出てきていますが、引き続きカレーを広めながら、更にそれらの変化にも適応していって中国全土の家庭・人々に「新しい」「うれしい」をつくっていきます。

社員旅行の集合写真です。近場でのブルーベリー、イチゴ狩りから始まりました。人生初の山登りと中国での温泉を経験させてもらいました。ガタガタ震えながら下山しました。今後の休日の過ごし方を考える良い機会となりました。山登りでは下山中に膝が笑うとはこのことか!というほどのガタガタぶりでした。
プロフィール
しらさき もとはる
1980年生まれ、福井県福井市出身。2001年ハウス食品株式会社に入社し、工場設備課にて生産設備の設備投資や保全改善業務に従事。その後、生産技術部にて主に新規設備導入業務を行い(カレールウ、レトルトカレー、水、スパイス等の設備)、2025年4月に総経理として大連赴任。

赴任歴はまだまだ新米で、業務についても大連についてもこれから学んでいきます。4月からの大連の気候は本当に過ごしやすく、休日はよく散歩しています。これからの過ごし方は模索中です! 隣は大連滞在歴5年の鈴木達彦副総経理で、彼や会社の皆様がいつも私の大連生活と仕事を助けてくれるので順調です。


白﨑さんをさらに知る
赴任後初の社員旅行

フルーベリー狩りの時、澤田欣己工場長とのツーショット。食品工場ということもあり普段の作業服では目しか見えない社員が多い中、全社員の顔を見ながらコミュニケーションが取れたことは感謝でした!
日中友好活動での景品協賛

お誘い頂いた日中友好イベントで協賛した景品の写真です。当日はたまたま母の日だったため、イベント会場に向かう前に花屋にダッシュ! 当選者の方からは、製品より喜ばれた感も。。。(笑)
520?521?の特別な日

想いを伝える日があると社員の会話から学びました。日本には無いイベントで、中国は女性に対するリスペクトの回数が多いことに若干の驚きもありましたが、感心させられている時に、一部の女性社員から結婚してからは貰ってない!! という一言が。
大連好侍食品有限公司(ハウス食品)
大連市開発区淮海中路93号
℡(0411)8740-7007
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