キーマンインタビュー

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富留得客食品(上海)有限公司
董事長 福居 寛之 氏 2025年5月号
「Sauce」のおいしさを伝え
食の幸せを世界に広げる
1902年に前身となる食料品卸商「三澤屋商店」を開業し、現在まで120年以上の歴史を歩み続ける調味料メーカー「ブルドックソース株式会社」。グループ唯一の海外現地法人である「富留得客食品(上海)有限公司」で、中国全土における「英斗(ブルドックソース)」の普及や販売などの役割を担う董事長の福居氏にお話を伺った。

日本で高いシェアを誇る
老舗ソースメーカー
「ブルドックソース株式会社」は、1902年に食料品卸商「三澤屋商店」として開業し、1905年からソースの製造・販売をしている歴史ある調味料メーカーです。
2019年には、日本食に馴染みのある中国で、日本・中国・西洋料理に合う味わいを提供すべく、グループ唯一の海外現地法人として「富留得客食品(上海)有限公司」を設立しました。「中国の人々にSauceの美味しさを広める」ことを目的に、広義の意味での「Sauce(ソース、たれ、ドレッシング類)」を日系外食店、日系スーパー様を中心に提供しております。
2021年には、日本でお馴染みの「Bull-Dog」のコーポレートマークとともに、中国語でブルドッグ犬の愛称である「英斗」の商標登録を完了しました。以降、業務用商品に加え、中濃ソース、焼そばソース、柚子ぽん酢などの家庭用商品を発売するなど、中国全土に向けて営業活動を展開しています。
新型コロナウイルスの影響もあり、私の着任は約1年遅れましたが、設立から現在に至るまで、現地スタッフとともに上海、北京、天津、成都、広州エリアを中心に中国全土に商品を広められるよう、日々奔走しています。職務としては、経営全般管理、統括業務を中心に、経営、営業、商品開発、マーケティング、総務人事、経理などすべての業務に率先して携わっています。なかでも、日本での営業経験を活かし、人一倍外勤をして、常に現場で起きている変化に気付けるよう、各お得意先様、他業種も含めたリーダーの方々からご教授いただける環境づくりを心がけています。
ニーズに合わせた商品を開発・販売
ブルドックグループは、「自然の恵みのおいしさで、食の幸せを世界に広げる」ことを企業目的とし、ソース、その他調味料の製造・販売を行っています。日本中のお客様にご愛顧をいただいており、日本の家庭用ソース市場では高いシェアを占めています。現在は、世界各国にも輸出し、「Sauce」を通じて食卓にホッとするおいしさを届けています。
中国事業では、より現地に寄り添い、スピーディーに商品提供できるよう、現地事務所に開発ラボ室を設けています。長年の経験を持つ日本人開発者や、日本の食文化に理解のある中国人開発スタッフを置き、年間数百アイテムに及ぶ試作を行っています。
従来は日本で行っていた開発を現地ですることで、より速いスピードで提案品をお客様へ提供できるのが弊社の強みです。中国ではトレンドを早く吸収しようとする動きが強いので、お客様へ次の試作品を提供するスピード感は大切にしています。
現在では外食店様専用商品は相当数に及び、開発部門メンバーは日々試作をし、営業部門メンバーはその試作品を各所へ提案・提供しております。実際にお客様に試食をしていただき、ご意見を基に微妙な味や粘性、色の明るさを調整し、改良を重ねます。お客様のニーズや、中国ならではの味の嗜好やトレンドの変化に対応できるよう、チーム一丸となって対応しています。
また、中国進出当初は日本の味わいを中心とした商品ラインナップで事業を推進しておりましたが、さまざまなご要望を受け、現地の方に馴染みのある味わいの商品も提供を開始しました。安全・安心な商品を提供しつつ、中国の方の味覚に合うよう作っていますので、ぜひ多くの方に召し上がっていただきたいです。
これから中国でも広く「英斗」ブランドが浸透するように、多様なニーズに寄り添いながら業務活動を推進してまいります。
中国の人々に「Sauce」の魅力を発信
上海に来て驚いたのは、とにかくスピードと決断が早いことです。日系企業の多くは、まず失敗しないように物事を進めていきますが、現地の方は1つでも成功のチャンスがあれば、ためらうことなく行動する点に今でも圧倒されています。社内にも「1勝を目指し、1敗を恐れない」価値観が根付いており、この姿勢が日々の業務判断を支える基盤となっています。
そのようなビジネスモデルの中で、まずは自分が率先して一番早く現場に赴き、お客様の声に耳を傾けることを心がけております。そして、成功も失敗もすべての体験をメンバーに共有し、失敗を失敗で終わらせず、その原因や対策をチームで考えます。酸いも甘いもともに経験できるチームを作り、スタッフ1人ひとりが自信を持ってお客様に「英斗」を提供できるようにしています。
まだ5年目の現地法人ですので、現在は「英斗」をロゴマークとして、事業目的である「中国の人々にSauceの美味しさを広める」ための広報活動やプロモーションに注力しています。例えば、上海で老舗の日本料理店様などで、広告塔である「中濃ソース」をテーブルユースで使用していただいております。さらに成都や北京エリアでも同様の活動を行い、飲食店様とのBBQイベントなどへも積極的に商品提供をしています。まずはご購入いただくよりも、ひと口でも現地の方に口にしていただき、商品・メニューの味わいを知ってもらう活動を広く展開しております。
2025年からは「小紅書」での商品・メニュー提案も開始し、SNSを活用したブランディングにも挑戦しています。
また、上海、北京、天津、成都、広州エリアを中心に、その他のエリアでも「英斗」商品を認知してもらえるよう、引き続き外食店やスーパー、各メーカー様と協力していく予定です。そうして日本で愛される弊社の「Sauce」をもって、食の幸せを中国、そして世界に発信してまいります。

上海駐在4年半。海外(現地)で業務を遂行するには、日本以上に1人の力では足りないことを日々実感しております。メンバーや仲間の力を借り、助け合い、共に成長・自己実現することがとても重要だと痛感しています

看板商品である「中濃ソース」を中心に、現地オリジナルでサラダや鍋料理に合う「柚子ぽん酢」、BBQなどで使用できる「焼肉のたれ各種」などを展開しています
PROFILE
プロフィールHiroyuki Fukui
1977年生まれ。福島県出身、東京都育ち。中央大学文学部を卒業し、ブルドックソース株式会社では広域量販支店、関東支店、首都圏販売部、海外事業推進室で勤務。その後2020年に富留得客食品(上海)有限公司董事長就任。2024年秋より、上海で有志が集まる上海食品メーカー会の事務局を務める。


商品開発会議の後には、社員たちと慰労懇親会を行います。当日は初めてボウリングをする社員もおり、「初体験」の思い出作りをともに楽しみました。

老舗日本料理店「喜酒豪楽・日本料理 誠」とBBQやゴルフコンペを共催しています。参加者らに弊社商品を楽しんでいただく良いきっかけの場となっています。

















