キーマンインタビュー

全日本空輸株式会社
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

全日本空輸株式会社

  • エリア:その他

上海支店長 星 英樹 氏

大きな夢を抱いた翼は
日中友好の懸け橋として
アジアの空をつなぐ

1952年に設立された日本初の純民間航空会社は、わずか2機のヘリコプターからスタート。当時、世界では政府主導の航空会社経営が多く占めるなか、民間会社としてゼロからの挑戦に愚直に挑み続け、長い歳月を経て日本を代表する航空会社へと発展。日本と中国を結ぶ友好の翼として、来年には中国線就航35周年を迎える全日本空輸株式会社の上海支店長である星氏に話を伺った。




世界最高評価「5スター」の航空会社

 前身である日本ヘリコプター輸送株式会社は、戦後の混乱抜けきらない1952年に産声を上げました。2機のヘリコプターから歩みはじめ、今や日本とアジアをはじめ世界の国々をつなぐ日本を代表するエアライングループへと成長しました。航空輸送事業を中心に国内外の航空ネットワークや顧客基盤を活かして、航空関連事業、旅行事業、商社事業などの様々な事業を展開しています。また、多くのお客様に支えられ、2013年以来、英国の格付機関SKYTRAX社より世界最高評価「5スター」の航空会社に認定されています。コロナ禍の現在、弊社の新型コロナウイルス感染予防対策「ANA Care Promise」の取り組みも評価され、SKYTRAX社の衛生と清潔に関する評価である「COVID-19 Airline Safety Rating」において、アジアで初の5スターを獲得しました。世界で最も信頼される航空会社として、お客様の満足を高め、ひとつでも多くの笑顔を生み出し、多様な価値の創造を通じ、発展してまいりました。
 さて、学生時代に中国人留学生と友好を深めたことがきっかけで中国に関心を寄せていた弊社2代目社長の岡崎嘉平太氏は、1972年の日中国交正常化の際には日中貿易を通じて民間サイドから尽力した人物です。中国には「水を飲む時、井戸を掘った人のことを忘れない」ということわざがありますが、当時、総理である周恩来氏から「その井戸を掘ったのは岡崎さん、あなたです」という言葉を贈られたとのエピソードが残るなど、この功績は両国で語り継がれています。こうした礎を築いた経緯もあり、弊社国際線の中でも中国線の占める割合は高く、今日に至るまで重きを置いている国でもあります。岡崎嘉平太氏の90歳の誕生日にあたる1987年4月16日に成田=大連=北京線が就航し、これが日本と中国を結ぶ初めての路線となりました。その後は沿海部を中心にネットワークを広げてきましたが、中国の経済発展に合わせて内陸部の成都や武漢にも就航しました。2020年12月には日本の航空会社による初の深圳への直行便を飛ばすことができました。
 新型コロナウイルスが流行する前には、旅客便と貨物便を合わせて中国12都市と日本との間に週300便程度、上海では浦東空港と虹橋空港から1日9便の旅客便に加えて貨物便も運航していました。現在はコロナの感染拡大を防ぐために、中国当局の規制により旅客便は上海、杭州、青島、広州、深圳の5都市のみに運航が制限されています。

ピンチをチャンスに変える今、ANAにできること

 私は2011年に大連支店の総務・営業マネージャーを勤め、2013年に北京、2019年に杭州、そして2021年4月に4拠点目となる上海の支店長に着任しました。日本での業務も合わせ、約10年間中国に関わる業務に従事していますが、中国人スタッフの日本語レベルの高さには今尚驚かされますね。ANAの海外支店は基本的に全支店英語採用で、中国に限っては日本語採用を実施しています。社内外の研修や日本との会議にすべて日本語で参加できるのは非常に強みですし、日本では採用が理系出身者に限定されている整備士についても、中国では外国語大学の日本語学科を卒業して、日本語で整備士の国家試験を受けて合格したという強者もいます。この試験は日本の国家資格で難易度もとても高く、日本人でも難関と言えます。
 個性とスキルを活かして多方面で活躍する彼らへ、キャリアアップや成長を促すためにさまざまな経験を積んで欲しいと考えていますが、国土も広いうえに省が変われば習慣やルールも変わる場合が多く、支店を跨いでの転勤や人事異動は難しいのが現状です。スタッフの成長のための発展空間が不足しないよう、公募制をはじめ転勤しやすい制度の導入や、リモートワークなどをうまく活用しながら実際に働く場所を変えることなく、幅広い仕事ができるようにするなど、スタッフの人材育成を今後どうしていくか検討しています。
 日本国内では圧倒的な知名度を誇りますが、中国で、中国人に対しては、少しずつこの社名が知られるようになった状況であり、まだ奔走しなければならないと痛感しています。中国で、中国人に受け入れられ、愛され、最初に選ばれる航空会社となることで、日中の懸け橋としての責を十分に果すことができると考えています。
 昨年からスタッフが活躍できる新たな場として、上海地区の各組織や企業様向けの「おもてなし講座」や「接遇セミナー講座」などを開催。上海ベースの客室乗務員が講師を勤めるこれらの講座は多くの方に大変ご好評いただいています。また、岡崎嘉平太氏生誕100周年には、河北省へ2校の「全日空藍天希望小学校」を寄贈する社会貢献活動や、「岡崎嘉平太国際奨学財団」によるアジア各国から日本への留学生の受け入れなども引き続き取り組んでいます。

コロナのトンネルを抜けて大空へ

 2022年9月29日に、日中国交正常化50周年を迎えます。同時にANAにとっても中国線就航35周年の節目の年となります。一刻も早くコロナのトンネルを抜け、我々のやるべきことは、まず元の事業規模に戻すこと。上海でいうなら1日9便の旅客便の運航です。すぐにできることではないかもしれませんが、徐々に復便していくとともに、今後の成長軌道を描くべく、これからもお客様に安全に、そして安心してご利用いただけるよう、空港・機内などあらゆるシーンで「ANA Care Promise」といった取り組みを通じて、引き続き、衛生・清潔な環境を提供してまいります。



PROFILE

プロフィール 
Hideki Hoshi

1970年生まれ、愛知県知多市出身。1993年一橋大学法学部を卒業後、全日本空輸株式会社に入社し、総務、人事、商品企画などに従事。2011年に大連支店の総務・営業マネージャー、2013年に中国統括室兼北京支店総務ディレクター、2019年に杭州支店長を勤める。2021年4月に上海支店長に就任、現在に至る。



星さんをさらに知る

家族

中国で生まれた長男も2歳になり、元気に育ってくれています。将来は日中両国の懸け橋となってほしいです。


旅行


中国に駐在している間に、全省を制覇することが目標です。残りは、チベット、青海、寧夏、重慶、江西の5つ!

お気に入りの場所


前任地の杭州では、よく西湖に行っていました。散歩やのんびりするには最高の場所です。またANAでは「西湖ふれあいウォーク」というイベントを実施しています。上海に赴任して半年、お勧めの場所があればぜひ教えてください!

全日本空輸株式会社

全日本空輸株式会社

住所 長寧区凱旋路369号龍之夢雅仕大厦202室 MAP
電話 5243-5050

ピックアップ

Concierge
コンシェルジュ公式App

CCG Concierge

上海・大連への
便利な街案内&生活情報アプリ!

ダウンロードはこちら
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード
  • App Store からダウンロード
  • Android からダウンロード

ピックアップ

Concierge 公式SNSアカウント
Concierge 公式SNSアカウント
最新の情報を
タイムリーにお届け!
QR

公式WeChat公众号:conciergesh