キーマンインタビュー

貝那商務諮詢(上海)有限公司
  • ビジネス記事
  • キーマンインタビュー

貝那商務諮詢(上海)有限公司

  • エリア:新天地

董事・総経理 結城 貴弘 氏

中国の福利厚生分野に
日本式制度を導入し
サービスの開発にも尽力


福利厚生の会員制サービスマッチングサイトを運営し、業界首位を誇る「ベネフィットワン」。業界最大手企業の海外第1号拠点である上海支店の設立から携わり、現在は責任者である結城氏に話を伺った。



業界トップクラスのサービスを提供

 パソナグループの傘下にある株式会社ベネフィット・ワンは、官公庁や企業に向けた福利厚生業務のアウトソーシングサービスを提供しています。モノの世界では安くて良い商品が売れるというのは言わずと知れたことですが、サービスの世界では色々なサービスが溢れていて、無秩序且つ複雑化しており、優れたサービスが存在していたとしても、陽の目を見ないということも少なくありません。「サービスの流通と創造」を経営理念としている我々は、サービス流通の創造により、中立な視点で誰もが安全・安心でより良いサービスを選び、それらを利用できる世の中を創ることを使命としています。
 弊社は会員制サービスマッチングサイト「ベネフィット・ステーション」を運営し、ご利用頂いている団体数は約11,600団体、利用者数は約868万人、会員優待サービス件数は140万件以上にのぼり、ユーザーとサービス提供企業のマッチングを図っています。おかげさまでここ10年で営業利益は4倍となり、業界首位をキープし続けています。
 海外進出において最も重要な拠点と位置づけた上海には、2012年に第1号となる現地法人を設立致しました。これを皮切りにシンガポール、インドネシア、タイなどの東南アジアをはじめ、アメリカやドイツなどの欧米諸国を含めた全10カ国に拠点を設けています。

事業の三本柱に代わる新たな主柱

 私個人の話になりますが、大学在学中に弊社のインターンに参加し初めて上海を訪れ、そこで現地の中国人メンバーの能力の高さや日本とは異なった広さを持つ日系企業コミュニティー、最先端のIT技術などを目の当たりにし、中国でのビジネスに興味を持ちました。若いうちから多くのチャンスを与えてくれるベネフィット・ワンに入社した後は、日本で新規顧客の開拓やチームマネージャーなどを経験させて頂き、2018年に上海の総経理として着任致しました。私のような若手にも海外への挑戦をさせてくれる社風は、とてもありがたく感じます。こうして総経理をやらせて頂いていますが、従業員は多くないので新規顧客への営業はもちろんのこと、メンバーのマネジメント、サプライヤー様との交渉、システムのプロジェクトマネージャーなどの業務に加えて、システムのリニューアル並びに市場・競合他社の分析など、全範囲の業務を行っています。
 弊社が提供するサービスについてですが、ポイント制報奨制度「カフェテリアプラン」、従業員の健康をサポートするプログラム「EAP(従業員支援プログラム)サービス」、新年会や忘年会、様々なイベントの運営サポートを行う「チームビルディングサービス」を主としています。
 上海に進出する日系企業様の中国人従業員を対象とした「カフェテリアプラン」は、優秀な成績を残した従業員や自己研鑽に努める従業員にポイントを付与し、企業が設定した福利厚⽣メニューの中からポイントで好きな商品を選択できる制度です。豊富な福利厚⽣メニューのなかには美団や滴滴出行などの日常的に利用するアプリ内で使えるものもあり、ユーザー様から高い評価を頂いております。
 「EAPサービス」はメンタルヘルス対策を先駆けるアメリカで既に大多数の企業が導入していて、日本でもこのプログラムが職場のメンタル対策の切り札として注目されています。近年の中国は長時間労働をする人が増えたことで、需要が高まっていて、メンタルケア、健康診断、保険など幅広く扱っています。
 「チームビルディングサービス」は、仕事へのモチベーション向上による最大限の能力を発揮、または社内のコミュニケーションの円滑化を図るため、満足度の高い食事会、新年会・忘年会、社員運動会などの運営をサポートさせて頂くサービスです。
 また、年内中には「タレントマネジメントサービス」のリリースを予定しています。企業が所有する人事データに加え、個人に関するパーソナルデータ、ECサイトの購買データ、この3つのデータを組み合わせることで人事データのみで把握していた人物像とは違った一面を見つけることが可能となります。これにより、今までとは異なる配置展開をすることでスキルを活かせたり、違う作業やプロジェクトを任せて企業利益に貢献するといったような、企業様が抱える人事的な課題解決のお手伝いをさせて頂くサービスです。

チャンスが散らばる中国で

 福利厚生業務を行う日系企業は弊社のみですが中国国内の企業は数社あり、特に国営企業は国営だからこそ規制を超える術を持っています。我々のような外資系で小規模企業では勝ち切れない部分と真正面から競り合うではなく、彼らが立ち入らないようなマーケットへの開拓や、手放すような煩雑な作業を日系企業の強みでもある丁寧さと粘り強さを強みとしていくことがここ中国で生き残っていく1つの方法だと思います。
 現在はおよそ90%が日系企業のお客様にご利用頂いておりますが、今後は中華系企業様にもアプローチし、3年以内には各50%の比率になるよう尽力する所存です。また、先に述べた「タレントマネジメント」を今後は事業のメインサービスとし、既に提供している3つを付随サービスとすることでより良いサービスを提供したいと考えています。
 様々なビジネスチャンスが広がっている中国では、1つの事業にこだわらず、多様化に積極的に取り組むことが大切です。少しでも可能性を感じたり、お客様からお声を頂いたのなら、未経験の事業でも一度トライしてお客様の反応を見つつ、弊社なりのアレンジを加えていけたらと思っています。


福利厚生サービスの会社ですので、社員にはより良いもの提供するようにしています。各スタッフの誕生日や入社日、子どもや配偶者の誕生日も覚えるようにして贈り物を渡したりします。中国のビジネス成功のためにはナショナルスタッフの協力が不可欠。彼らへの感謝の気持ちを大切にしています


今後ベネフィット・ワンでは「タレントマネジメント」をキーワードに、人事×個人×購買の各種データを組み合わせたHRプラットフォームの展開をして参ります



PROFILE

プロフィール 
Takahiro Yuki

1992年生まれ、埼玉県出身。中央大学法学部卒。大学在学中にベネフィット・ワンの初海外拠点となる上海で創業サポートを行い、新規顧客の開拓を実施。2014年に株式会社ベネフィット・ワンへ入社。営業で新規開拓を行ない、入社2年目にして最年少チームマネージャーに任命され、3年連続チーム予算の黒字化に成功。2018年、26歳という若さで上海支店の総経理へ赴任、現在に至る。



結城さんをさらに知る

日本人サッカーチーム「上海JF」

上海JFという日本人サッカーチームに所属し、20代から60代までと幅広いメンバーとともに、平日に1日練習、土日は欧米人チームの参加しているリーグ戦にて優勝目指して戦っています。


中国で経験値を得る


せっかく歴史ある中国にいるので、できるだけたくさんの地域に旅行をしたいと考えています。同年代の友人などと中国の歴史を体感し、見聞を広げるべく切磋琢磨しています。

今年の目標は「澄」

毎年元旦に1年の目標を書初めしています。これはベネフィット・ワン上海のメンバー全員で行っており、それぞれの思いの丈を一文字にしてくれます。私の21年の目標は「澄」。にごりのない純粋な心で他人を受け入れ、より高みへ登っていけるように、という想いが込められています。


貝那商務諮詢(上海)有限公司

貝那商務諮詢(上海)有限公司

住所 黄浦区黄陂南路838弄中海国際B座18階119 MAP
電話 021-6841-1000