キーマンインタビュー

西村あさひ法律事務所 上海事務所
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西村あさひ法律事務所 上海事務所

  • エリア:静安寺

パートナー弁護士兼上海事務所代表 野村 高志氏

中国法務のエキスパートが
最高のリーガルサービスで
企業のビジネスをサポートする


国際法務の専門家集団として国内外にネットワークを有し、多様なグローバルビジネスに迅速・柔軟に対応する西村あさひ法律事務所。中国法関連の書籍を多数出版し、東京理科大学客員教授として教鞭をとるなど、多方面で活躍される上海事務所代表弁護士の野村氏に話を伺った。   



世界へ広がるリーガルサービス

 西村あさひ法律事務所は、高い専門性と総合力を持った法律事務所間の統合を経て、多様な専門家が集い、幅広い法務分野をカバーする日本最大規模の法律事務所に発展するとともに、海外展開を加速してきました。各案件で最高のリーガルサービスを提供し、多くのお客様から厚い信頼を得ていると自負しております。現在の所属弁護士・外国弁護士は700名以上、税理士・弁理士、パラリーガルやスタッフを含めると約1,700名が所属しています。
 2007年の事務所統合を契機に国際業務を更に積極的に展開するべく、日本企業が数多く進出しているアジア地域への拠点設立を開始。2010年4月に北京、同年10月にホーチミン、11年にハノイ、12年にシンガポール、13年にヤンゴン、バンコク、14年に上海とジャカルタ、15年に香港、16年にドバイ、18年にニューヨーク、今年は台湾及びドイツに事務所を開設。日本国内では東京本部、大阪、名古屋、福岡に支店を有し、海外14拠点まで広がりました。
 日本国内及び海外拠点を密に繋ぎ、事務所全体が一体となって業務を行うと共に、現地の有力法律事務所とも密接な連携を構築し、各国・地域の法律と実務に深く精通した質の高いリーガルサービスを提供しています。

上海事務所の活動

 上海事務所は2014年に2名で開設してから順調に発展し、今は日本人弁護士3人、中国人専門家、パラリーガル、秘書を合わせて計10名が所属しています。全員が日本語・中国語のバイリンガルで、英語の堪能な者も多くいます。弊所の東京事務所の中国チームや北京事務所と一体となって中国プラクティスグループを設けており、日常的に多数の案件で協同しています。
 私自身は中国業務の世界に入って20年近くなり、そのうち10年以上を中国で過ごしています。日本の大手メーカー、金融機関、総合商社等、様々な企業から依頼を受け、対中投資、合弁・独資会社設立、中国企業のM&A、再編・撤退、危機管理、人事労務、知的財産権、訴訟・紛争案件等、多様な案件を手掛けています。最近では、中国企業の買収案件、日中にまたがる大型倒産案件、不正調査、大規模リストラ案件等にも関与しました。また、中国企業からの依頼にかかる対日投資案件の経験も多く有しています。お気軽にお問い合わせください。
 ここ数年で著しく増えている分野は、コンプライアンス/危機管理案件、特に中国現地法人に関する不正調査です。一昔前は、現地法人に潜む社内不正行為について、日本本社側は「パンドラの箱」のように捉え、その中を積極的に見ようとはせず、現地法人側も本社から一線を画したがる傾向がありました。最近はそれが変化し、積極的に不正を暴いて責任追及する動きになったのは、ITテクノロジーの急成長によって欧米や日本で行われているフォレンジック等の不正調査の手法が中国でも実施可能になったことに加え、中国事業の重要性の高まりや、日系企業の中国法人における大規模な不正案件が大きく報道されて世間の関心を集めたため、本社もこの点を重視するようになったこと、更には反腐敗運動の進展により、中国国内でも法令順守が徹底され始めたこと等が原因と考えています。日本本社側の「海外子会社のコンプライアンスをしっかりすべき」という意識が高まる中、中国へのアプローチも変わりつつあり、今後も重要な法分野といえるでしょう。
 もう一つ、近年変化を感じるのは、中国企業が法務の面でも洗練されてきていることです。日本での投資や事業展開の際に、日本の法律事務所に依頼して日本の法規制をきちんと調べようという企業が増えています。中国企業は法令を軽視しがちとかコンプライアンス意識が低いというイメージがありましたが、急速な変化より、日本企業とのギャップも無くなりつつあります。

長期的な発展を遂げるために

 中国・上海は、法律に関する市場の競争も極めて激しいと思います。弊所のような日系法律事務所同士の競争だけでなく、日本語が堪能な律師のいる中国系事務所も数多くあり、またグローバルな欧米系事務所も展開しています。更には、会計事務所やコンサルティング会社が提供するサービスとも競合する面があります。もっとも、そもそもリーガルマーケットが大きく、日本企業による投資やビジネスの蓄積も層が厚く、市場全体のボリュームは大きいと感じています。日中の経済的な繋がりの広がりと深さを考えると、今後もそれが縮小することはないだろうと考えています。ですので、弊所だけが「一人勝ち」したり「急拡大」するのは難しいですが、お客様から依頼される個別の案件に地道に対応し、よい仕事を積み重ねていく中で、上海事務所は着実に発展できるだろうと信じています。
 当事務所の積極的取り組みのひとつに、若手の育成と長期的に働き易い環境の整備が挙げられます。若手の中国人スタッフを積極的に採用し、その育成に力を入れています。上海事務所が組織として発展し、その個々人も中国や日本の著名企業の案件に携わったり、刺激的でやりがいのある案件を任される中で、長期に亘り事務所のメンバーとしての活躍を願っています。個人が長期的成長を続けることが、同時に上海事務所の規模の拡大にも繋がります。
 また、日本へ向けたアピールも重要と考えています。私自身は上海をベースとしていますが、現状は日本の本社側からの案件依頼が多いです。今後更に日系企業の現地化が進み、現地法人が投資や法務の決定権限を持つようになると思いますが、重要な案件では日本本社がハンドルするケースも多いと思います。そこで、当事務所のHPで最新の中国法実務に関するニューズレターの配信や、各種の書籍や論文執筆にも力を入れ、日本でセミナーを活発に行ったりと、情報発信を意識的に行っています。
 今後は、中国企業にとって身近な存在になるよう、中国企業向けの情報発信にも注力します。こうした活動を通じて、スタッフにやりがいを感じてもらい、上海事務所とそのメンバーが更に発展するよう、私も一層頑張ろうと願っています。


大阪の街弁だった2000年、中国に携わる仕事をしたいと願っていた時に、当事務所の前身「西村総合法律事務所」創立者の故西村利郎弁護士と偶然お合いする機会があり、それが契機で2001年に入所し中国業務に従事するようになりました。まさに私の弁護士人生の転換点でした


セミナーの講師を務めた写真。贈収賄防止や営業秘密保護、知的財産権など数多くのテーマで、日本語や中国語でセミナー、講演をしてきました。日系企業の中国人社員が多数参加するセミナーで、中国語で笑いをとったときには、関西人として達成感を感じます



PROFILE

プロフィール 
Takashi Nomura

1964年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学法学部卒業後、1998年に弁護士登録。2001年より西村総合法律事務所に勤務。04年に北京の対外経済貿易大学に留学。05年よりフレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所の上海オフィスに勤務。10年に統合後の西村あさひ法律事務所に復帰し、14年の上海事務所設立より2度目の上海駐在。



野村さんをさらに知る

中国の各地を訪問

旅行や出張で中国の数多くの土地を訪れました。どこも独特の風景や美食があり、興味が尽きません。最近は年1回、事務所内の中国チームで旅行に行っています(写真は海南島三亜市)。


中国旅行の思い出


チベットや新疆に旅行したときは少数民族の伝統的な世界に触れました。写真はチベット族が五体投地をしながらラサを目指して巡礼する様子です。独自の世界観に生きているのだと感じました。

書籍や論文の執筆

平日は依頼者からの案件対応に忙殺されており、週末には気分を変え、中国の法務や知的財産に関する書籍・論文の執筆に励んでいます。弊所サイトに私の中国ニューズレターが掲載されています。

西村あさひ法律事務所 上海事務所

住所 静安区南京西路1601号越洋広場38階 MAP
電話 021-6171-3748

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