キーマンインタビュー

三光化成塑膠(大連)有限公司
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三光化成塑膠(大連)有限公司

総経理 佐藤 新一郎氏 2020年9月号

品質第一を基本に
技術革新を積み重ね
モノ作り最前線を走り続ける


日本向けから中国国内向けへ


 三光化成塑膠(大連)有限公司は、三光化成株式会社の中国現地法人として2001年10月に独資で設立した会社です。中国国内には1995年に設立した蘇州工場があり、三光化成大連は中国では2番目の工場となります。金型の設計から金型製造、成形、組立と一貫生産体制を構築し、自動車関連部品、OA機器関連部品、衛生用部品等を生産しています。
 三光化成大連は、先代社長が大連の地が好きだったこと、中国での二拠点目を探していたこと、更には大きな可能性が華北にあると思われたことより工場進出を決め、2001年に設立しました。設立当時は成形機13台でスタートし、立ち上げ当初は組立を主体に日本向けの組立て部品を中心に製造して来ました。時代の流れも含め徐々に労働集約型ビジネスの日本向け製品は減少し、成形品を中心とした中国国内のお客様向けのビジネスを拡大してきました。2003年第二期工事、2007年第三期工事で金型工場を設立。2008年第四期工事と増設を行い、金型製作から成形、組立と一貫生産できる体制を構築し現在に至っています。


「源流管理」「5Sが基本」の徹底


 私は2014年11月に大連に総経理として赴任して来ました。赴任当時は仕事が拡大し、設備も増設していき好調なスタートを切る事が出来ました。また、部下に恵まれ、2001年設立当時の立上メンバーが現在も主要ポストで頑張っており、立上当初の「源流管理」「5Sが基本」の考えを現在も継続しています。そのため、三光化成グループの中で5Sは一番と自負しています。また、源流管理の考えで生産の源流となる金型、設備の予防保全も高いレベルで管理出来ています。その中で更に成長させ進化させるため、日々私自身も最新情報を取り入れ、さらに進化し続けられるように取り組んでいます。
 また、設立当初からのスローガン「互相幇助」を継続し、チームとして対応できる組織作りを進めてきました。仕事をする上で部門間や上司と部下の間で意見の食い違いは必ず生じます。その時に「互相幇助」の気持ちで接し、素早く最善の解決策を導き出すことが、お客様にとっても一番良い事です。但し、「互相幇助」の気持ちだけでは最善の解決策は導き出せません。弊社社訓の中の「積極的に仕事に当たり、摩擦を恐れず責任を持って目的を遂行する事」「他人の立場を尊重しチームワークを保ち明るい職場をつくるよう務める事」の二つにも力を入れています。それぞれの立場で意見が言える環境を作り、相手の考えも聞き入れ、チームとして対応できる組織作りを進めています。
 中国現地企業のレベルがアップしてきており価格が安く、良いもの作り、お客様に供給しております。そのために中国現地企業に負けないように日々取り組む必要があります。中国現地企業と差別化するために、金型設計、製作において精度や難易度の高さで差別化を図り、製造工程の管理力、自動化設備の導入や改善機器などで生産性を向上させ、顧客第一主義によりサービスを提供し、安心と信頼の「トータルコスト」で中国現地企業に負けない取り組みを進めています。


事業を継続し拡大していく


 中国で事業を推進するに当たり、驚いたことが二つあります。一つは中国では製作用の図面に非常に忠実な事です。成形品の場合、製品肉厚や製品形状によって変形したり凹凸が発生したりと、全ての領域を満足させる事は、非常に難易度が上がります。しかし中国では全域、全方向で寸法を満足させる事が必要で、その要求に対応できる日本に劣らない金型製作と成形の技術力に驚かされました。二つ目は、環境、消防、安全に関して要求レベルが日本と違い、非常に高い事です。2015年に環境面で工場内の臭いについて指摘があり対策を実施しました。対応策を検討し各生産機の臭いが発生すると思われる箇所にダクトを設置し、吸引浄化する方法で対策を実施しました。結果、臭いの他にも粉塵と生産機から発生する熱の一部も同時に排出してくれる効果もあり、工場内の労働環境は一段と良くなりました。これからも色々な要求があると思いますが、工場内の労働環境や社員の安全につながる事も考え取り組んで行きたいと思います。
 製造業において人材の確保は重要なポイントです。優秀な人材を採用したくても製造業は敬遠され、なかなか採用が難しいです。また、現場経験を積んで徐々に管理者を目指してほしいですが、採用できても現場教育中の1カ月も過ぎないうちに辞めてしまいます。現在は2001年の立ち上げ当時のメンバーが中心となり工場運営をしていますが、20年後には後任の人材は少なく、人材確保が急務となっています。合同面接会に参加し、定期的な新卒者を募集しながら優秀な人材が確保できるよう取り組んだり、新たな次世代中核スタッフの獲得に積極的に活動しています。
 現在はグローバル競争の激化とともに中国現地の企業やその他のアジアの企業とのコスト競争となってきています。また、労務費の高騰や米中貿易摩擦の影響で、事業を拡大させて行く事はなかなか難しい状況です。しかしながら中国マーケットは巨大であり、まだまだ成長の可能性は高いと考えています。競争は激しくなってきますが、チャンスを見逃さず新規ビジネスを獲得し事業拡大させて行きたいと思っています。日本同様か、それ以上の技術力や製造力を求められる厳しくも魅力的な中国市場で更に成長を目指していきます。
 三光化成塑膠(大連)有限公司は来年で設立して20年になります。今後も事業を継続・拡大させるために、お客様との取引拡大と現地市場の新規開拓を行っていきます。この東北地区は他の地区と比べるとあまり良い経済状況ではありませんが、わずかなチャンスも見逃さず、社是の「信義信頼」「品質第一」「顧客中心」により事業拡大を目標に取り組んでいきます。


三光化成塑膠(大連)有限公司工場は来年で20年となり老朽化が進んでいますが、自分たちで床の塗装や成形機の清掃を行い綺麗な環境を作り生産活動しています。これからも、現地スタッフと共に品質第一でもの作りをしていきますので宜しくお願いします。



二泊三日で本溪市方面の社員旅行の一コマ。川下り、鍾乳洞、遊覧船、山登りとハードな旅行でした。中国は広いのでバスの移動も6時間と長時間でしたが、色々な事が体験出来き、有意義な三日間でした。


PROFILE
さとう しんいちろう

1960年、福島県二本松市出身。1987年、三光化成の子会社である福島三光へ設立時に入社。2003年から約5年間、埼玉県の朝霞工場へ単身赴任。品質保証課の責任者として勤務。2008年、福島工場へ戻り、2009年に工場責任者となった。2014年11月、大連に総経理として赴任。


<佐藤さんをさらに知る>


芋煮会を開催しました


中国の習慣には無い芋煮会を会社で開催しています。芋煮会といっても、茹でた里芋やトウモロコシを会社の広場で食べます。最近は羊の串焼きも始めました。家族も参加し、ゲームも行って楽しんでいます。


本場の鍼治療体験


エアコンが苦手で、夏になると足の冷え性に悩まされて来ました。昨年、鍼治療を勧められ、怖い感じはありましたが、治療した結果、冷え性が改善され快適な夏を過ごしています。中国で2000年前に誕生した本場の鍼治療の効果を体験しました。


手作りポテトサラダ


今年はコロナウィルスの影響で自宅にこもる生活が続き、日本からのレトルト食品も無くなり料理を作るのが趣味になりました。献立は、テレビやネットで見たものを食べたくなり、ネットでレシピを検索し作っています。


三光化成塑膠(大連)有限公司

経済技術開発区東北2街42号
℡(0411)8764-3883

三光化成塑膠(大連)有限公司

住所 辽宁省大连市开发区东北路2街42号 MAP
電話 0411-8764-3883

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