キーマンインタビュー

大連イートンハウス日本部
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大連イートンハウス日本部

幼稚園園長 小柳佐和子氏 2020年5月号

独自の教育方針のもと
子ども達が自ら考える力を
身につけることを徹底


大切な幼児期に探求の芽を育む


 イートンハウスグループは、シンガポールを始め、日本を含めた世界各国でインターナショナルスクールを展開しています。2003年に中国での1校目を蘇州で開校した際、私は学校の教育方針に共感を覚え入社し、瞬く間に16年以上が経ちました。当校の教育方針は、全世界に展開するイートンハウスが採用しているインターナショナルバカロレアを取り入れています。具体的には、「なぜ?」という疑問点を追求し、積極的に「調べる」という学習方法です。暗記をもとに授業を行うアジアの教育スタイルとは対照的で、子ども達の自主性や積極性を育てるための「学びの態度」を大切にしています。疑問から始まり、答えを追求していくことは、子ども達が自ら考える力を養うことのできる学習方法です。社会へ出た際に欠かせない、問題解決能力を身につけられるよう努めています。この教育方針が中国にも認められ、“トップ500校”の一つとなっています。
 イートンハウスインターナショナルスクール蘇州校に日本部を立ち上げたのが2005年です。2019年には大連校を立ち上げました。カリキュラムは日本の幼稚園教育要領に基づいた保育活動を行っていますが、インターナショナルバカロレアの素晴らしい点である、「自ら考える」「挑戦する」「思いやり」「助け合い」などを日本部の教育理念にも取り入れています。


真っ新な子ども達に伝えるべきこと


 世界各国の企業が中国へ進出する中で、中国は非常にグローバル化が進んでいます。それに伴い、多くの国の子ども達が中国へとやって来て、異文化の世界で生活し、教育を受けています。つまり、当校の理念を中国に集まる世界各国の子ども達に伝えていくことのできる状況にあります。外国の子ども達にとって、中国は歴然とした異文化の世界です。
 島国である日本からやってくる子ども達の大部分は、偏見のない真っ白な心で外国人を見るはずです。その環境や人々のしぐさ、行動に驚き、興味を示します。「どうして?」という疑問が起こり、それを解こうと大人に尋ねます。その時の大人の言葉がけ一つで、「偏見」が生まれるか、「国によって異なる」という判断が生まれるかが決まります。「違うんだよ」ということを教え続けていけば、国や文化によって「違い」があることを知っていき、「違い」を自分なりに消化し理解し、受け入れていけるようになるのです。これこそが「国際性」の第一歩だと考えています。


学習の取り組みとこだわり


 イートンハウスの教育方針に共感してお子さんを入学させてくださる保護者の方にはとても感謝しています。先生の採用には、全員選任制にするなどの厳しい基準を設けています。優秀な先生の採用が厳しい状況でも、当校の教育方針を理解し、実行できる人材を選んでいます。教育とは、どのような立派な建物や施設があったとしても、子ども達にとって一番大切なのは先生の存在なのです。今後も引き続き、子ども達のことを思って行動してくれる先生を探し続けていきます。そして、変わることなく私達の教育理念を伝えていきます。


日本の幼稚園教育との違い


 日本からやってくる子ども達を見ると、年々「言われてから動く」一見大人しい子が徐々に増えている気がします。悪く言えば指示待ちの子どもです。指示待ちに慣れると、いつまでも、どんな時も指示を待つようになります。これではいけないのです。
 日本部は同じイートンハウスの中にありますが、カリキュラムの基本は日本の幼稚園教育要領に基づいています。従って、新学期である春にお預かりした子ども達には日本の教育と、そしてイートンハウスグループが掲げる「考える力」を身につけさせることに力点を置いて保育活動をスタートさせます。学期を経るごとに、生活の場面ばかりではなく、活動においても指示は非常に少なくしていきます。指示されずに動くためには先生の話を聞くことが大切だということも同時に知っていくので、話を注意深く聞き、「今何をするのか?」から、「では自分は何をしたらいいのか?」、分からなければ「聞くこと」を奨励します。とてもシンプルですが、この積み重ねが非常に大事なのです。
 子ども達は体験を通じて学ぶことが多くあります。例えば大きなケガはしないように十分配慮しますが、小さなケガを体験することによって安全管理やリスクについて学ぶことができます。小さなケガならば、「名誉の負傷」として大きなケガの防止に繋がります。また、ケンカをする時も、「どちらが悪かったか」と決めるのではなく、小さなケンカを通じて仲直りの方法や人間関係について学ぶことができるので、幼児期に体験を通じて学ぶことが重要です。


今後の展開とビジョン


 イートンハウスグループは「自信に溢れた、世界スタンダードの目線を持った子ども達を育てる」という旨で、現在は蘇州、長沙、広東、深圳、アモイなどの中国主要都市に展開しています。また、同様の教育方針と理念のもと、東南アジアを中心に、日本や韓国など世界中で展開しています。今後は中国の子ども達を対象とした幼児教育を、各地に広げていこうと考えています。一つは早期教育の充実です。対象年齢を下げて、2才からの早期教育を始めます。もう一つは、自然の中で、自然に触れさせながら創造と夢を育み、感情豊かに育てていく、レッジョ・エミリアメソッドというカリキュラムを始めます。シンガポールのイートンハウスは、アジア地域におけるレッチョミリアムの本部となっており、本部と連携しながら、このカリキュラムの充実を図りたいと思います。従来のカリキュラムに加え、教育内容を更に充実させながら、アジア各地に私達イートンハウスの教育方針を伝播させていきます。


読書が大好きで、暇な時はゆったりと本を読みます。大連では、読書用の“いつものコーヒーショップ”を見つけられないでいます。座り心地の良い椅子のある、美味しいコーヒー屋さんを紹介して頂きたいです。



大連イートンハウス日本部の立ち上げメンバーです。私の片腕となり、「楽しく、懸命に」毎日働いてくれています。子どもは「大人の有りようを見て育つ」ものです。良いスタッフに巡り合うことができました。


PROFILE
おやなぎ さわこ

東京都出身。復旦大学の高等教育研究所へ3年間留学し、教育管理を専攻。中国と縁があり、2003年のイートンハウス立上げ時から蘇州にて勤務。現在は蘇州と大連のイートンハウス日本部の園長を兼任している。教員としての経歴は累計26年に及び、まさに教育一筋。教育以外のことに関しても、読書を通じて積極的に学んでいる。


<小柳さんをさらに知る>


山登りが大好き


子どもの頃から旅行が大好きです。エベレスト街道のゴーキョピークは非常に苦しいトレッキングではありましたが、海抜5,800Mもの登頂を達成した時の感動は忘れ難いものとなっています。


本を通じて未知の世界を知る


暇があれば、本を読むか友達と旅行に行きます。会食をすることはあまりありません。本は様々なジャンルのものを読みます。教育の世界しか知らないので、多岐にわたる分野の本を読むように心がけています。


可愛い子には運動をさせよ


現代社会では、子どもが身体を動かす機会が減少しています。幼児期の子ども達は身体を思いきり動かして大きくなります。こうした活動の中でこそ 、“子どもは子どもとして成長”していきます。


大連イートンハウス日本部

高新区小平島観涛路6号
℡(0411)8176-1720


大連イートンハウス日本部

住所 辽宁省大连市高新园区小平岛观涛路6号 MAP
電話 0411-8176-1720

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