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著作権法(6)——著作権の隣接権

前回は著作権の取得と保護期間について触れた。今回は著作権の隣接権について説明する。隣接権は作品の伝達者権とも
言われ、作品以外の労働の成果を生み出した者がその分について得られる特定の権利も併せたものである。


① 隣接権と狭義の著作権

 著作権の自動取得とは、著作権は作者が著作物を完成したという客観的事実により自動的に取得されることで、手続きは全く必要とせず、著作物に何か特別なマークを付ける必要もない。こうした取得方法は「自動保護主義」と呼ばれている。現在、中国を含め世界のほぼすべての国で採用されている方法である。
 中国の『著作権法』第2条により、中国の公民、法人又はその他の組織の著作物は、公表されているか否かにかかわらず、本法によって著作権を享有する、としている。
 外国人、無国籍者の著作物は、その著作者の所属国又は常住地国が中国と結んだ協定又は共に加入している国際条約に基づいて著作権を享有し、本法による保護を受ける。
 外国人、無国籍者の著作物で、最初に中国領域内において出版されたものは、本法によって著作権を享有する。
 中国と協定を結んでおらず、又は共に国際条約に加入していない国の著作者及び無国籍者の著作物が、中国が加入している国際条約の加入国で最初に出版されたとき、又は加入国及び非加入国で同時に出版されたときには、本法による保護を受ける。


② 作品の伝達者に対する制限

 (5)『著作権法』第29条により、「出版者、上演者、録音や録画の制作者、ラジオ局、テレビ局などが本法の規定により他人の作品を使用する場合,作者の署名権、修正権、作品の完全性保護権、報酬を得る権利を侵害してはならない」とされている。
 (6)『著作権法』第60条第1項により、「本法でいう著作権者や出版者、上演者、録音・映像制作者、ラジオ局、テレビ局の権利で、本法実施日の時点で本法における保護期間を超えていないものは、本法により保護される」とされている。
 (7)『著作権法』に定められた「本法の定めにより他人の作品を使用」とは、著作権ライセンスの使用契約もしくは著作権の譲渡契約により取得した使用権を指し、「適切な使用」や「法定ライセンス」で取得したものである。


③ 各論

 (1)図書出版者は著作者の許諾を受ければ、著作物の修正、削除をすることができる。新聞社、雑誌出版社は著作物について文字の修正、削除をすることができる。内容の修正については著作者の許諾を受けなければならない。
 既存著作物の改編、翻訳、注釈、整理及び編集によって生まれた著作物を出版するときは、改編、翻訳、注釈、整理及び編集著作物の著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を受け、かつ報酬を支払わなければならない。
 出版者は他人がその出版した図書、雑誌の割付を使用するのを許可し、又は禁止する権利を有する。

 (2)他人の著作物を使用して公演をするときは、実演家(俳優、公演団体)は、著作権者の許諾を得るとともに、報酬を支払わなければならない。公演組織者が公演を組織するときは、その組織者が著作権者の許諾を得るとともに、報酬を支払うものとする。既存著作物の改編、翻訳、注釈及び整理によって生まれた著作物を使用して公演をするときは、改編、翻訳、注釈、整理著作物の著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を受け、かつ報酬を支払わなければならない。


以上

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