キーマンインタビュー

上海日本商工クラブ
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上海日本商工クラブ

  • エリア:虹橋・古北

事務局長 中村 仁氏

日系企業の事業活動を支援
日中経済交流の発展と
日中友好の促進に貢献

世界最大規模の在外日本人商工会議所組織として、上海における日本人社会の発展をサポートしている上海日本商工クラブの事務局長に、現況と今後の展望を伺った。

世界最大の在外日本人商工会議所

 上海日本商工クラブは、上海に進出する日本企業の懇親と情報交換を目的に、民間団体を母体として1982年に設立しました。30社ほどからスタートして、現在では約2400の会員を擁する、世界最大規模の在外日本人商工会議所組織として活動しています。ちなみに2番目に大きな組織は、タイのバンコク日本人商工会議所で、会員数は約1700です。在上海日系企業のビジネス環境改善のための活動をはじめ、日本人学校の建設・運営協力、会員の上海生活を豊かにする事業を推進し、文化交流、中国人社会への貢献を通じ、日中友好を促進するお手伝いをしています。
2004年3月25日に中国関係機関の協力を得て、「民営非企業組織」として正式に認可され、批准書が交付されました。この認可を得るために我々の諸先輩方が苦労をされて、上海市政府と交渉を続けてようやく認可を得ることができました。非公認の時期には公の活動には制限がありましたが、公認後は、会員同士の親睦交流活動、日本人学校の支援活動などに加え、ビジネス環境整備などの活動を積極的に行っています。また、独自のWEBサイトの運営、会報「上海明天」(季刊)の発行など、会員に向けての情報発信も展開しています。公認されたことにより、銀行口座の保有や公式領収書の発行が可能になり、より多くの活動が行なえるようになりました。
商工クラブには、業種別に共通の問題やトラブル解決に関する情報交換、業界の啓蒙活動などを行なう12の部会のほか、9つの地域連絡会があり、セミナーや講演会を通じた情報交換、異業種間での懇親などの活動を行なっています。現在抱えておられる問題に対する解決方法などを、コンサルタントや弁護士の方々を招いて講演会やセミナーを開催し、会員の皆様へ情報提供を行うことも大切な業務の一つです。また、事業環境委員会や各部会を通じ、それぞれの業界で共通する問題点や困っていることを取り上げ、特に大きな問題についてはそれに関するワーキンググループを作り、継続的に研究を重ねた上で会員へ正しい情報を発信していくよう努めています。これらの問題に対する日系企業の声を要望書や建議書などにとりまとめ、在上海日本国総領事館、日本貿易振興機構(JETRO)上海事務所と一体となって、上海市政府との懇談会の場で要請したり、上海の日系企業の意見を、北京にある中国日本商会(中国の法律では一カ国に一カ所だけ外国商会として公認)に提出し、中国各地の日本人商工会議所組織から集まる意見とともに、「中国経済と日本企業白書」として毎年まとめられています。この白書は日系企業のビジネス環境改善だけでなく、中国経済の発展にも役立ててもらえるように、北京の中央政府だけでなく、上海市をはじめ各省や市にも機会を見つけて提出されています。


社会貢献へのさまざまな取り組み

 日系企業が地域社会に真に受け入れられ、日中の相互理解が進むよう、安徽省の貧困地域における小学校校舎建設支援や児童の学費援助、自然災害発生時の義捐金活動など、これまでさまざまな社会貢献活動に取り組んで来ました。中国経済の発展に伴い、2014年には小学校建設に一区切りをつけ、その後、上海市児童健康基金会内に「上海日本商工クラブ―桜の花」基金を設置し、医療サービスを受ける際に優遇されない、上海戸籍ではない外省人の子どもたちの手術・治療費を援助しています。また、FSG上海外服(元FESCO)が主催する上海市の公務員向け日本語クラスを支援し、日本語習得および日本文化理解に貢献しています。日系企業の窓口となることが多い公務員の方々が日本語、および日本に少しでも関心をもっていただくことは、日本企業にとっても有益なことです。この支援は15年ほど実施しており、延べ1500人以上の方が修了しています。さらに、日本語クラスの研修生および卒業生と日本人駐在員などが参加する中日友好交流卓球大会を開催し、日中相互の交流を支援しています。

商工クラブの更なる発展に向けて

 あるデータによると、上海への日系企業の投資は累計で1万件を超えるとのことで、まだ会員になってない日系企業が数多く存在しています。今後もより多くの日系企業の方に商工クラブを知っていただき、お役に立っていくことで会員数を増やしていきたいと考えています。また、最近の日中関係は良くなっており、日本を訪問する中国の人々は急速に増えているとともに、中国では外資導入に積極的になっています。商工クラブにも上海以外の各地からも招商局などが訪れ、投資説明会や現地視察会のお手伝いをすることも多くなっています。日中経済関係の一層の発展のため、日本企業と中国社会を結ぶ接点としても、日本と中国の双方から信頼される組織として活動していくことが大きな目標です。

2010年に来海し、2011年~2015年まで事務局長を務めました。その後帰国を経て、2018年に再赴任しました。不在にしていた3年間の上海の変化は、日本の10年間の変化に匹敵するようで驚いています。

PROFILE

なかむら ひとし

1960年生まれ、東京都出身。東京外国語大学(モンゴル語学科)卒業。1983年東京商工会議所入所、国際部勤務。日本商工会議所カンザスシティ事務所出向、北ケーブルネットワーク㈱出向、総務部、国際部、企画調査部を経て、2011年1月から2015年3月まで上海日本商工クラブ事務局長に出向。帰国後、日本・東京商工会議所広報部長を経て2018年4月より再赴任。

<中村さんを知るキーワード>
マッハ号の実車に感動

車に興味を持つキッカケとなった、子供の頃に放映されていたアニメに登場した車の実車です。10年ほど前にある展示会で見つけてとても感動しました。車の運転も大好きで、よくドライブに出かけました。

ペルー・アマゾン
大2010年にペルーへ出張した際に、テレビでしか知らなかったアマゾンの原住民と交流しました。彼らの文化には驚かされることが多かったです。とても貴重な体験で、世界観が広がりました。

留日同学会の幹部

日中の学術交流に基づく公益団体である留日同学会の幹部の皆様との記念写真。今年4月に上海に再赴任となった際には、真っ先に歓迎会を開催していただきました。楽しいひと時でした。

上海日本商工クラブ

住所 长宁区延安西路2201号国际贸易中心大厦2702室 MAP
電話 021-6275-2001

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