キーマンインタビュー

ぺんてる(香港)有限公司
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ぺんてる(香港)有限公司

董事長 石村 晴之氏

業種の枠組みを超えたコラボレーションを通じてわくわくする商品をご提供

香港進出を果たして半世紀以上、愛され続ける文房具を提供する同社の代表・石村晴之氏に、商品に込められた想いや、新たな取り組みについて伺った。


トレンドに敏感な香港市場

 香港ぺんてるは、1960年代に進出した海外で最も古い拠点です。駐在員事務所から始まり、現在は画材や筆記具を中心に香港・マカオに展開をしています。
 日本の文房具業界はもともと海外での評価も高く、海外比率の高い業界です。特に香港では、日本の文房具が市場の過半数を占めており、世界の中でも特にシェアが高い地域です。香港の方々に日本の商品を信頼していただいていること、さらに弊社のみならず、いろんな日系メーカーが切磋琢磨しながら、 香港市場のニーズに合った製品を開発し続けている結果だと思います。
 現地マーケットに根付くためには、できるだけローカルの生活に入って行く勇気が必要だと思います。私もできるだけ現地市場を歩いてみることにしていますが、大きなモールだけでなく、裏道や中心から離れた団地を回って、どのようにその生活で需要があるかを見るようにしています。
 香港の方々は年齢層によってニーズがだいぶ違っています。50〜60代の方は、購入する商品が定着している方が多いのですが、10〜20代の方、特に女性は、次から次へと新しいトレンドに興味を持たれる。そのスピードは、日本以上、世界でもトップレベルだと考えています。そして、彼らのトレンドは、アジアのトレンドに通じて行くものと考えています。そのため、弊社では若年層の動向を意識して商品をセレクトするようにしています。

わくわくする楽しい商品を提供

 香港では、基本的にここで販売する商品のセレクトを担当し、また何年も先に販売する製品の企画を提案したりもします。商品選定や開発案を考えるとき、「何に対するニーズがあるのか?何が面白いのか?」ということを常に問いかけます。
 お客様には、もちろん普通に文房具として使うために買っていただくのですが、ふとした瞬間に商品を見たとき、模様やデザインで楽しい気分にもなってもらいたいです。例えば、「筆タッチサインペン」は、落書きしている時も、筆のようなタッチが表現でき、書いていて楽しいという使用したときの感覚を追求して作りました。また、ペンの本体と芯を別々に販売し、自分でカスタマイズできるボールペン「i+」も、53種類のリフィルとデザインが異なるペン軸を用意し、自由に組み合わせることができる楽しさでご好評いただいています。
 今後も、まだまだ「楽しい」、「買って良かった」と感じていただける商品を身近にお届けできればと考えています。

現地スタッフの当事者意識を育成

 現地社員には、自分の会社という当事者意識を持ち、10年、20年先を見据えた会社作りを自ら行っていけることを期待しながら様々な教育を行っています。
 毎月小さな販促案を実施していますが、それは現地社員が担当しています。「何を売りたいのか?」、「お客様に何を提供したいのか」、「香港のために何がしたいのか?」を彼らの頭で考えてもらい、私が「これを売らなければならない」と押しつけることはしません。例えば、台湾支社が企画した「巨大な消しゴム」を香港でも販売したいと提案したのは現地のスタッフです。私が当初導入を考えていなかった商品だったのですが、実際に販売してみたところ、子供たちの間で人気のアイテムになりました。

企業間コラボで「こと」を起こす

 日本人の得意な事柄に、規律を守ることや、細部にまでこだわりカスタマイズし続ける技術対応力があると思います。その得意とする特徴を発揮しやすいのが文具・筆記具業界でもあります。弊社の商品を現地の消費者に伝えながら、日系企業の良さを分かってもらえれば良いな、と思っています。
 商品の魅力をアピールするのには、様々な方法があります。地下鉄や雑誌での広告はもちろんですが、弊社では企業間コラボレーションを通じて、何か香港で面白いことができないか日々模索しています。
 例えば、2016年のクリスマスには、喫茶店を貸し切り、メインターゲットである若い女性を集めた食事会を開催して弊社の商品をプロモーションしました。今年7月の見本市「ブックフェア」では、化粧品ブランド「KATE」とコラボレーションし、弊社の製品技術を用いた筆先を搭載したアイライナーをご紹介しました。さらに、12月には、日本から漫画家の浜田ブリトニーさんをお呼びし、「誠品書店」で弊社商品を使用した絵画ワークショップを開催しました。

 今後もこのような提案型のプロモーションをどんどん実施していきたいと考えています。香港で展開している日系企業が「もっと面白いことがやりたい」、「何か香港で『こと』を起こしてみたい」とお考えであれば、ぜひ私共にお声かけいただければです。


毎年7月には香港最大の書籍見本市「ブックフェア」の文具コーナーに出展しています。開催期間中は、弊社だけでなく日系文具メーカーが様々な新製品を出して即売会も行っている注目イベントです。

PROFILE

いしむら はるゆき

1973年生まれ、京都府出身。立命館大学産業社会学部卒業。中国の文化に対する興味から在学中に北京電影学院へ1年留学する。1998年にぺんてる入社。入社3年目に中国へ赴任し、工場管理を7年間担当。その後イギリスで5年間、経理の仕事に従事。2013年に来港し、総経理として運営に従事。


<石村さんを知るキーワード>
学生時代の目標

大学時代に中国に留学したことがあるのですが、その休暇中に香港へ旅行に来た際、香港で働く日系企業の駐在員を見てかっこいいなと思い、将来香港の日系駐在員になるのが夢であり目標でした。今、その目標が実現でき幸せです。

社業を通じて国家社会へ貢献

座右の銘にしている言葉です。海外で16年働き、新興国への出張で見かけた世界各地のスラム街や貧困層の人々の生き方を目にし、仕事を通じて少しでもその地でお役に立てれば良いなと常々思っています。(写真は南アフリカアパルトヘイト博物館にて)

趣味はトレッキング

休みにトレッキングをして自然を見ながら心を落ち着かせ、1人で物事を整理したり色々な事を考えながら歩いています。この時に、色々なアイデアや将来の展開などを考えています。これらのアイデアを少しずつ実現できていければと考えています。




ぺんてる(香港)有限公司

住所 6/F, 15 Wang Chiu Rd, Kowloon Bay, Kowloon MAP
電話 852-2807-2262

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