キーマンインタビュー
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AP Company Hong Kong Co, Limited.
マネージングディレクター 釜谷 将史氏
香港の女性に、今までにない日本食の美しさ、楽しさ、美味しさを提供する
今年7月に香港で「塚田農場」の営業を開始し、香港進出したAP Company。マネージングダイレクターの釜谷氏に、現在の取り組みと、今後の展望を伺った。
「塚田農場」満を持して香港初上陸
AP Companyは、今年7月に「塚田農場」を尖沙咀にオープンし、香港進出を果たしました。海外事業では、2012年のシンガポール進出を皮切りに、北京、サンフランシスコ、ハワイ、インドネシアのジャカルタで展開しています。実は、シンガポール進出前より香港への出店計画があり、当初は、香港とシンガポールをアジア拠点とする計画でしたが、香港での条件に合うパートナーや物件と巡りあうことができなかったため、今に至りました。
ブランド初となる女性ターゲット店
日本の「塚田農場」は居酒屋と位置づけられ、客層は男性の比率が多いですが、ここ香港での「塚田農場」は女性をターゲットとしています。そのため、女性を意識し、九龍半島で最も栄えている立地や海が一望できるロケーションにこだわり、香港内のショッピングセンターで最大規模を誇る「ハーバー・シティ」に店を構えました。また、味だけでなく、今流行の「インスタ映え」を意識した、目の前に広がるオーシャンビューにも負けない、彩りを重視した商品ラインナップを取り揃えました。香港の女性も健康意識が高く、ヘルシーなものを好む傾向があるため、見た目だけではなく、食材や健全なおいしさを追求するために、商品企画は日本人女性が担当しています。
香港での商品ラインナップは、「美人鍋」をはじめとした「美人春巻き」、「美人ラーメン」等の「美人シリーズ」や、肉巻きおにぎりなど70種類を提供しています。その中でも、看板メニューは「美人鍋」です。アジアで人気の「宮崎地鶏の特製スープ」をベースに、彩りのよい野菜、肉が入った鍋です。特にコラーゲンがたっぷり入ったスープは女性に人気があります。「美人鍋」は毎年改良しており、香港のレシピが最新となります。今後は、香港で提供する味をベースに、他エリアに展開していく予定です。また、香港ならではの商品として、「和風アフタヌーンティーセット(二人前$368)」を用意しました。香港人の習慣として、午後2時から6時のティータイムに食事をされる方が多いこと、ご来店の75%が女性客であることから開発されました。見た目に美しく「インスタ映えをする」と好評です。
マニュアルのない人材育成
日本の「塚田農場」と同様に、香港でも接客マニュアルを作らないようにしています。例えば、日本で行われているお客様との会話のツールとなる名刺サービス。マニュアルにすれば、香港でも実現するとは思いますが、それだと面白くない。強制的にさせるのではなく、お客様の立場に立ち、生み出すサービスが大事だと考えます。香港の「塚田農場」らしいサービスやおもてなしを今後、他と差別化ができるよう努めていきます。
香港で考える「食のあるべき姿」
AP Companyグループでは、「食のあるべき姿」を共通ミッションとして掲げています。ミッション実現の為に日本では、農業や漁業などの食品生産(一次産業)から、物流・加工の流通(二次産業)、外食店舗等での販売(三次産業)に至るまでの全てを一貫して手がける独自の「生販直結」という六次産業化ビジネスモデルを構築・展開しています。弊社が何のために存在し、企業活動を通じて世の中に何をもたらそうとしているかを示す理念です。
ここ香港でも、同モデルを実現したいと考えています。ただ、農地用の土地が少なく、地鶏の生産に関しては、「鳥インフルエンザ」問題があるため、香港政府からの許可取得も厳しいので、難しいのが現状です。
香港では、1990年以降、食料のほぼ全てを中国本土を含む他地域からの輸入に依存しており、地元産の野菜作付面積はわずか2%と言われています。そのため、香港店では、使用食材の一部を日本国内の「塚田農場」が提携している農家から仕入れ輸入するほか、香港内の野菜栽培を行う農家と提携することで食の安心、安全を提供していきたいと考えています。現在、香港内の農地を共同パートナーとして運用できる農場ファーム探しを始めたところで、現時点では、レタスの水耕栽培をしている会社が候補にあがっています。水耕栽培のレタスは、値は張りますが、安心・安全で味もよく、サラダに最適です。
一社でも多くの提携先が見つかり、経営目的である「生産者の思いを消費者に伝えていく」ことを、香港でも実現できたらと考えます。
5つの本物で「本物の日本の味」を
香港では、「5つの本物」と題した、目標を掲げています。「手作りによる本物の味」、「安心安全な食材を使用した料理の提供」、「健康で美しい新和食の提案」、「日本式のおもてなし」、「伝統的かつモダンな店舗デザイン」の5つの「本物」を通して、香港市場が求める「本物の日本の味」を提供していきます。
<釜谷さんを知るキーワード>
フットサルでリフレッシュ
高校時代はサッカー部でした。日本で仕事帰りに参加していたフットサルを、ここ香港でも続けています。フットサル経験はトータル5年になりました。香港内の日本人サークルに所属し、月一回ほど練習に参加して、リフレッシュしています。
本から成功者の考え方を学ぶ
経営者やスポーツ選手の本を読みますね。サイバーエージェント社長の『藤田晋の仕事学』とカーネギーの『人を動かす』が特に好きです。一時帰国した時に、5冊から10冊ほど購入し、休みの日にまとめて、リラックスできるようなカフェで読みます。
景色のいい場所で酒を飲む
今年7月に香港で「塚田農場」の営業を開始し、香港進出したAP Company。マネージングダイレクターの釜谷氏に、現在の取り組みと、今後の展望を伺った。
「塚田農場」満を持して香港初上陸
AP Companyは、今年7月に「塚田農場」を尖沙咀にオープンし、香港進出を果たしました。海外事業では、2012年のシンガポール進出を皮切りに、北京、サンフランシスコ、ハワイ、インドネシアのジャカルタで展開しています。実は、シンガポール進出前より香港への出店計画があり、当初は、香港とシンガポールをアジア拠点とする計画でしたが、香港での条件に合うパートナーや物件と巡りあうことができなかったため、今に至りました。
ブランド初となる女性ターゲット店
日本の「塚田農場」は居酒屋と位置づけられ、客層は男性の比率が多いですが、ここ香港での「塚田農場」は女性をターゲットとしています。そのため、女性を意識し、九龍半島で最も栄えている立地や海が一望できるロケーションにこだわり、香港内のショッピングセンターで最大規模を誇る「ハーバー・シティ」に店を構えました。また、味だけでなく、今流行の「インスタ映え」を意識した、目の前に広がるオーシャンビューにも負けない、彩りを重視した商品ラインナップを取り揃えました。香港の女性も健康意識が高く、ヘルシーなものを好む傾向があるため、見た目だけではなく、食材や健全なおいしさを追求するために、商品企画は日本人女性が担当しています。
香港での商品ラインナップは、「美人鍋」をはじめとした「美人春巻き」、「美人ラーメン」等の「美人シリーズ」や、肉巻きおにぎりなど70種類を提供しています。その中でも、看板メニューは「美人鍋」です。アジアで人気の「宮崎地鶏の特製スープ」をベースに、彩りのよい野菜、肉が入った鍋です。特にコラーゲンがたっぷり入ったスープは女性に人気があります。「美人鍋」は毎年改良しており、香港のレシピが最新となります。今後は、香港で提供する味をベースに、他エリアに展開していく予定です。また、香港ならではの商品として、「和風アフタヌーンティーセット(二人前$368)」を用意しました。香港人の習慣として、午後2時から6時のティータイムに食事をされる方が多いこと、ご来店の75%が女性客であることから開発されました。見た目に美しく「インスタ映えをする」と好評です。
マニュアルのない人材育成
日本の「塚田農場」と同様に、香港でも接客マニュアルを作らないようにしています。例えば、日本で行われているお客様との会話のツールとなる名刺サービス。マニュアルにすれば、香港でも実現するとは思いますが、それだと面白くない。強制的にさせるのではなく、お客様の立場に立ち、生み出すサービスが大事だと考えます。香港の「塚田農場」らしいサービスやおもてなしを今後、他と差別化ができるよう努めていきます。
香港で考える「食のあるべき姿」
AP Companyグループでは、「食のあるべき姿」を共通ミッションとして掲げています。ミッション実現の為に日本では、農業や漁業などの食品生産(一次産業)から、物流・加工の流通(二次産業)、外食店舗等での販売(三次産業)に至るまでの全てを一貫して手がける独自の「生販直結」という六次産業化ビジネスモデルを構築・展開しています。弊社が何のために存在し、企業活動を通じて世の中に何をもたらそうとしているかを示す理念です。
ここ香港でも、同モデルを実現したいと考えています。ただ、農地用の土地が少なく、地鶏の生産に関しては、「鳥インフルエンザ」問題があるため、香港政府からの許可取得も厳しいので、難しいのが現状です。
香港では、1990年以降、食料のほぼ全てを中国本土を含む他地域からの輸入に依存しており、地元産の野菜作付面積はわずか2%と言われています。そのため、香港店では、使用食材の一部を日本国内の「塚田農場」が提携している農家から仕入れ輸入するほか、香港内の野菜栽培を行う農家と提携することで食の安心、安全を提供していきたいと考えています。現在、香港内の農地を共同パートナーとして運用できる農場ファーム探しを始めたところで、現時点では、レタスの水耕栽培をしている会社が候補にあがっています。水耕栽培のレタスは、値は張りますが、安心・安全で味もよく、サラダに最適です。
一社でも多くの提携先が見つかり、経営目的である「生産者の思いを消費者に伝えていく」ことを、香港でも実現できたらと考えます。
5つの本物で「本物の日本の味」を
香港では、「5つの本物」と題した、目標を掲げています。「手作りによる本物の味」、「安心安全な食材を使用した料理の提供」、「健康で美しい新和食の提案」、「日本式のおもてなし」、「伝統的かつモダンな店舗デザイン」の5つの「本物」を通して、香港市場が求める「本物の日本の味」を提供していきます。
「伝統的かつモダンな店舗デザイン」がテーマの店内。木材を多用し、和箪笥をイメージした腰壁や、伝統工芸の手法を用いた壁面、小物アイテムまで和を意識したデザインで落ち着きのある空間。
PROFILE
かまたに まさし
福岡県宗像市出身。1979年、立命館大学を卒業後、大手外食チェーンに入社。日本で10年勤務したのち、2012年に上海転勤となり駐在生活がスタート。2013年には香港転勤となり、2016年に同社を退社。2017年AP Companyに入社し、「塚田農場」香港店の立ち上げから携わり、現在に至る。<釜谷さんを知るキーワード>
フットサルでリフレッシュ
高校時代はサッカー部でした。日本で仕事帰りに参加していたフットサルを、ここ香港でも続けています。フットサル経験はトータル5年になりました。香港内の日本人サークルに所属し、月一回ほど練習に参加して、リフレッシュしています。
本から成功者の考え方を学ぶ
経営者やスポーツ選手の本を読みますね。サイバーエージェント社長の『藤田晋の仕事学』とカーネギーの『人を動かす』が特に好きです。一時帰国した時に、5冊から10冊ほど購入し、休みの日にまとめて、リラックスできるようなカフェで読みます。
景色のいい場所で酒を飲む
香港らしい景色の中でお酒を飲みながら過ごしてリフレッシュしています。仕事終わりによく利用する店は西湾河のレストラン 「CULL'N PISTOL」。一人でも気軽に入れ、景色がよく、お酒の種類も豊富で、料理も食べられるのでお気に入りです。
AP Company Hong Kong Co, Limited.
住所 | Flat C, 9/F, Wing Cheong Commercial Building, Jervois St, Central, HK MAP |
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電話 | 852-5560-3928 |
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