キーマンインタビュー

一瞬でキレイを叶えるカラーとスタイルを伝授

その人の美しさを引き出すパーソナルカラリストの峰京子さんに、「外見・内面の両方が大切」という信念について伺った。

美容液より肌をキレイに見せる「色」

「パーソナルカラー」は、今から約25年前、当時勤めていた資生堂のイベントで出会い感銘を受けて以来、いつかチャンスがあれば学んでみたいと思っていました。その後、香港好きが高じて単身で来港し、化粧品関係の仕事をしていたのですが、ちょうど8年間勤めた資生堂の退職を決めた頃に日本の雑誌をきっかけに再会。その記事を読み、美容液などよりも一瞬で肌を白く美しく見せてくれる「色」のパワーに改めて魅きつけられました。それから、日本と香港を行き来しながら2年がかりで日本カラリスト協会の資格を取得。2015年から香港でパーソナルカラリストとしてのキャリアをスタートさせました。

　「パーソナルカラー」は、肌や髪、瞳の色、顔立ちなどから、その人が一番きれいに見えるカラーを診断します。さらに「骨格スタイル診断」で、骨格や筋肉のつきかたなどからスタイルをよりよく見せる素材や形も診断。このカラーと骨格のタイプは一生変わらないので、自分のタイプを知っておくと身につけるものの取捨選択がとても楽になります。
　自身の経験でもあるのですが、骨格スタイル診断は似合うデザインが好きなデザインと違い、がっかりすることもあります。でも、これらは選択の幅を「狭める」のではなく「広げる」ためのもの。「似合わせ」の理論とも呼ばれるように、軸がぶれないようにしながら上手にアレンジすることで、より自分に似合わせることができる、おしゃれがさらに楽しくなる方法なのです。

大切なのはやはり「内面」

　こうして外見に関わる仕事をしながらも、私自身は「人間、本当に大切なのは『中身』、心だな」とつねづね感じます。
　香港の資生堂「クレド・ポー  ボーテ」では、トレーニングマネジャーとして現地販売員の接客対応を指導していました。香港の女性たちは積極的でセールスも上手。丁寧な接客スキルをすぐに身につけ、カウンターへ来られるお客様からはもちろん、業界内でも高い評価を受けました。いっぽうで、その根底にある日本の「おもてなし」の心そのものをわかってもらうことの難しさも痛感しました。周囲への隠れた心配り、日本人特有のさりげない仕草や表情・行動などは、日本人としてのマナーや習慣、相手のことを思いやる心などから自然に出てくるものだと実感しました。ですから、自身の娘の教育に関しても、日本人の心とマナーを育てることが最優先です。国際都市・香港に住んでいても、こだわりを持って日本人学校へ通わせています。
　また、美容業界には「皮脳同根」という言葉があります。「皮膚と脳は同じ根を持つ」という意味です。母親の胎内で受精卵が細胞分裂していく過程において、皮膚と脳・神経系は「外胚葉」という層から分化するため、同じルーツを持ち密接につながっています。ストレスが溜まると肌が荒れるのはこのため。生理学的にも、心も含め内側の状態は表面にあらわれるのです。

より多くの人に伝えたい

　日本ではすでに認知度が高いパーソナルカラーですが、今後は香港の人たちに伝えていきたいです。また、外見と内面の両面からきれいになれる、例えば漢方、薬膳などの分野とのコラボレーションセミナーや、各種企業セミナーなどもしていきたいと考えています。この７月には『和僑会』のバーで、ビジネスに役立つ外見力アップのお話をカジュアルにさせていただく予定もありますので、是非一度、お気軽にお越しください。

PROFILE

みね きょうこ

地元・山口や大阪で、資生堂をはじめとする化粧品・エステ業界で勤務後、香港の化粧品会社に転職。2005年より、香港の資生堂「クレ・ド・ポーボーテ」でトレーニングマネジャーとして現地販売員の教育にあたる。退職後、2015年より日本カラリスト協会公認のパーソナルカラリストとして活動。

春・夏・秋・冬の4タイプが基本

香港の大学でのセミナー風景