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中国特許法の手引き(3)

知的成果が特許法の保護を受けるには、特許法が定める一連の条件を満たす必要があります。今回は、実用性についてご説明します。


(1)「実用性」の意味について


「特許法」第22条第1項の要件によれば、発明または実用新案は、「新規性、進歩性および実用性」を備えていなければならないとあり、同条第4項によれば、実用性とは、発明または実用新案が「製造もしくは使用することが可能で、かつ肯定的な効果を生じさせることが可能であること」とあります。また「特許審査ガイドライン」(2010)は実用性の意味について、「実用性とは、発明または実用新案の出願された主題が産業上製造もしくは使用が可能でなければならず、かつ肯定的な効果を生じさせることが可能なことを言います。特許権を付与された発明または実用新案は、技術的な問題を解決することが可能で、かつ応用することが可能な発明または実用新案でなければならない」と説明しています。
 学理上、実用性には少なくとも次の3つの内容を含むことが求められています。
(1)発明案が実現可能なこと
(2)発明の効果が実用レベルに達していること
(3)発明が肯定的な効果を備えていること

(2)実現可能について

 実用性の基本要件は、発明案が実現可能であることです。さらに正確に言いますと、特許の請求項にある案を実際に実施すること、出願者が開示した効果または用途を生じさせることが可能であることです。特許局は通常、出願されたものに対して書面審査のみを行います。その発明案が実施可能であるか否かを判断する基準は、出願提出日に当該分野に精通した者が、当該案が開示された効果または用途を満たすことを信用するかどうかなのです。

(3)実用レベルの到達について

 発明案が実施可能であり、所期の効果または用途の実現が可能であっても、必ずしも実用性の要件を満たしているとは限りません。これらの案の実施は、科学研究分野においては意義のあることかもしれませんが、社会、公衆に直接の効用をもたらすことはできません。特許法が実用性の基準を管理するのは、発明者が実用のレベルに到達するまで発明を進めることを奨励するためです。

(4)肯定的効果があることについて

 実用性は、発明案の効果が肯定的であることも要求しています。「特許法」では発明が「肯定的な効果」を生じさせることが可能であることを明確に要求しています。「特許審査ガイドライン」(2010)第二部分第5章では、「これらの効果は肯定的で有益なものでなければならない」、「明らかに無益で、社会の需要から乖離している場合には、……技術案は実用性を備えていない」と解説しています。上記のように多くの場合、肯定的な効果があるという要件を一種の価値判断とみなし、発明の実施が社会にプラスの効果をもたらし、社会が期待するものであることを求めているのです。
 発明の効果が肯定的であるか否かは、当該発明の全体的な効果、そしてプラス効果とマイナス効果を総合した後の結果が「肯定的」であるか否かを考慮します。



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