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出張時の傷害保険の税前控除と 資産の見做し販売

国家税務総局は2016年12月9日付で2016年第80号公告を公布しました。


本公告は短い内容となっていますが、出張時の傷害保険の税前控除と資産(物品)の見做し販売に関する会計税務処理に少なからぬ影響を与えるものと考えられます。


80号公告の内容

「中華人民共和国企業所得税」およびその実施条例の関連規定に基づき、企業所得税問題に関して以下の通り告知する。
①会社出張で加入する人身傷害保険の支出 に関する税前控除の問題
会社の従業員が、公務の出張で交通機関を利用する時に加入する人身傷害保険の支出は、会社が課税所得額を計算する際に控除することを認める。
②会社が資産を移送(提供)する際の企業 所得税の問題
「会社が処分する資産の所得税処理の問題に関する国家税務局の通知」(国税函(2008)828号)の第二条の情況では、その他規定されている場合を除き、移送(提供)資産は公正価値に基づき販売収入を確定する。

国税函(2008)828号の第二条

 会社が資産を他者へ移送(提供)する以下の情況では、資産の所有権の変更が発生しており、資産の内部処理として扱われず、規定に基づき見做し販売として収入を認識する。
①マーケティングあるいは営業に使用する
②交際費に使用する
③従業員への給与・賞与あるいは福利費と
 して使用する
④配当として使用する
⑤対外寄付として使用する
⑥その他資産の所有権が変更となる用途

今後の対応

 旅行傷害保険の受取人が加入者本人となるため、80号公告が施行される前は、傷害保険費用を会社経費として税務上費用として計上してはならず、更に傷害保険費用の金額が個人所得税の対象となる課税所得として取扱う必要がありました。80号公告施行後は、会社の経費として税務上費用計上が可能となります。
 マーケティングあるいは営業活動の一環として、商品のサンプルを顧客へ提供する場合、以前は同類製品の直近の販売価格(あるいは平均価格)を基準に見做し販売収入として計上していましたが、80号公告から公正価格へと再定義されました。実務上は公正価格を証明することが困難である場合が多いため、引続き直近の販売価格(あるいは平均価格)が公正価格であるとして収入を計上することが予想されます。収入計上では、増値税発票(インボイス)は発行せず、発票を発行しない所得(未開票収入)として税務申告をすることが考えられます。
 また、従業員への手当として自社の商品を提供する場合は、製造原価あるいは仕入原価で提供することは認められず、公正価格で収入を計上することになります。従業員のへの商品の提供は、企業所得税および増値税の収入として計上することも然ることながら、当該商品の公正価格が個人所得税の対象となる課税収入となり、個人所得税の納税義務も生じることになります。
 80号公告では傷害保険費用の税務上の費用控除を認め、会社にとっては朗報とも言えますが、一方で今後は見做し収入の計上基準が強化されることになり、サンプルの提供などが多い会社などは申告漏れがないか注意が必要となります。




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