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中国著作権法の手引き(13)

前回は著作権侵害の概念、種類、権利侵害責任の負担方式について説明しました。今回は直接侵害について具体的に説明します。


① 権利侵害主体の確定

 ある権利侵害行為が複数の行為者に関係する場合は、誰が著作権法上の権利侵害行為者なのか、とりわけ誰が直接侵害行為者なのかを確定することが重要です。
 人民法院は、ある権利侵害行為の主体を判断する際に、単に誰が形式上において当該権利侵害行為を完全に実施したのかに着目していません。主観的に誰が特定の著作物を利用する具体的な意図を生じたのか、また客観的に自ら実施したのか、または他人を通じて実施したのかという点に着目しています。この基準に照らすと、権利侵害行為の関与者に元々著作権を侵害する具体的な意図はなく、単に他人から指図や委託を受けて複製(例えば印刷工場)、制作、速達等のサービスを提供した場合は、一般的に直接侵害行為者ではないとみなされます。

② 権利侵害著作物の認定

 著作権の権利内容は多く、そのため権利侵害行為も多種多様です。ある著作物が権利侵害を構成しているかを判断する場合、次の3つの要件に着目します。
①権利侵害著作物が権利を有する著作物のコンテンツを盗作(または敷衍)している、または権利を有する著作物を基にしたコンテンツが含まれている。②権利侵害著作物の係争部分と権利を有する著作物の関係する部分の本質的な相似性。③盗作されたコンテンツが著作権法により保護されている。
 以下において前の2つの要件をいかに判断するかについて詳しく説明します。

③ 盗作の存在の有無の判断

 著作権法の基本原則は、「盗作がなければ権利侵害はない」です。「盗作」とは、独自創作に対する言葉であり、権利侵害著作物の中の関連コンテンツが保護を受ける著作物を出所としており、権利侵害行為者の独自創作ではないことを指します。一方、独自創作の著作物は、たとえ他人の著作物と同じでも他人の著作権に対する権利侵害を構成しません。この原則により、双方の認定面において本質的な違いがあります。著作権法は盗作に重点を置くことにより、社会公衆は権利侵害を回避する情報コストを引き下げることができます(公衆は自らの独自創作により自らの著作物を完成させたことを保証しさえすれば、第三者の既存の権利に対する侵害を心配する必要はないため)。
 多くの場合、原告が被告の盗作行為を直接に証明しようとしますが、それは不可能に近いことです。そのため、法律は原告が何らかの間接的な証拠(被告が原告の著作物に触れる合理的な機会があった等)により被告に盗作行為があることの証明を認めています。

④ 本質的な相似性の有無の判断

 権利侵害における「本質的な相似性」の証明は、その分野の一般的な立会人(average lay observer)によって判断されます。比較のプロセスで盗作部分について全体的に比べる必要があり、一般的な立会人の範囲も著作物の違いによって大きく異なることがあります。画定範囲があまりに広いと、大量の被告および盗作ではないコンテンツを含むこととなり、訴えられた権利侵害の著作物と原告の著作物とが本質的な相似を構成しない恐れがあります。範囲があまりに狭いと訴えられた部分が著作権法の意義におけるオリジナリティを備えなくなる恐れがあり、権利侵害の成立を認定できなくなります。




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