中国で成功する人事！

久しぶりにまたコラムを書かせていただきます。以前ご愛読いただいていた皆様、
そして今日初めてお読みいただく方々、改めてどうぞよろしくお願い致します。

中国において自社の人事戦略や人事制度の構築において、どうすれば中国人社員の価値観に合ったものができるか、お悩みになったことはありませんか？

私は、今の中国において職場における大切な価値観は「希望と信頼」だと感じています。
自分の将来に希望が持てるかどうかは国を問わずモチベーションの重要な要素ですが、生活レベルが加速度的に向上しているこの国で、今より少しでも良い条件を得られるかどうかは、中国人社員にとって大きな関心事です。
 
1980年代前半、私は南京大学での語学留学時代に指導教授から教えていただいた「中国人は貧乏は耐えられる。でも周りが自分より豊かな姿を見ると耐えられなくなる。」という一言が今でも忘れられません。
時を経て2016年の今、微信で毎日のように豊かな生活をエンジョイする写真を見かけますね。それらを横目に自分の生活に「希望」が見えにくいとすればどういう気持ちになるかは想像に難くありません。
 
次は「信頼」です。ご承知のように長らく続いた一人っ子政策の結果、自分だけに注目と愛情を受けて育ってきた子供達は、社会に出ても自分に関心が注がれていないと満足できないとよく言われます。
日系企業では責任、権限、役割が不明確なケースをよく見かけますが、そういう職場においてもし自分が上司から信頼されていないと感じていたとすればどんな心理状態になるでしょうか。
 
この「希望と信頼」が二つとも不足している企業では中間管理職の離職率が高いか、社員全体のモチベーションが低いのが私の仕事上で見てきた実体験です。これらを人事戦略や制度などにどう影響させるかは、今後のコラムでお伝えしたいと思いますので楽しみにお待ちください。