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母乳育児と職場環境について

今号では、授乳期の社員が働きやすい職場環境づくりについてご案内します。


 香港メディアなどで母乳育児の重要性やメリットが報じられています。しかし、職場での授乳や搾乳が難しいことから、母乳育児を断念する女性社員が多いともいわれています。このような状況を受け、母乳育児を安心して継続できる職場環境の整備を目指し、香港政府内ではキャンペーンが立ち上がり取り組まれはじめています。今号では、授乳期の社員が働きやすい職場環境の整備について取り上げてまいります。


法的観点で配慮すべき点

 授乳期の社員への対応を考える際に、家族状況差別条例について考慮する必要があります。家族状況とは、血縁関係にある人や、配偶者およびその血縁関係にある人を保護(扶養・介護等)する状況にあることを指します。授乳期の母親への不当な扱いは、乳児を保護する状況にあるという「家族状況」への差別にあたる可能性が高いといえます。現在、家族状況差別条例の中で「授乳期の母親への差別撤廃」という言葉は明確には記載されていません。しかし、差別条例の監督官庁である機会均等委員会 
(EOC)は、差別撤廃をより徹底するために、「授乳期の母親への差別撤廃」を条例に明記することを香港政府へ提案しています。

 職場で授乳や搾乳のための時間や設備を提供することは、授乳期の社員への重要なサポートのひとつですが、現時点では法律上の規定はありません。一方で、衛生署家庭健康服務は雇用主向けガイドを作成し、ホームページに掲載しています。法的な強制力はありませんが、授乳期の社員が働きやすい職場環境を整えるためのポイントがまとめられています。


http://www.fhs.gov.hk/english/breastfeeding/30031.html


ガイドの内容


 では、衛生署家庭健康服務のガイドの内容をみていきましょう。ガイドでは以下3点のポイントを挙げています。
■ 搾乳時間
出産後1年の間は、8時間の労働時間に対して30分の搾乳時間を2回与えることを推奨しています。搾乳時間を有給とすること、搾乳をしていたという証拠を求めないことなどの配慮もあわせて推奨されています。
■ 搾乳に必要な設備
職場で搾乳ができるように、次のような設備の用意が推奨されています。
【プライベートなスペース】会議室や多目的スペースも仕切りなどを活用することで一時的に搾乳用の空間として提供
【椅子】背もたれがあるもの
【テーブル】搾乳の道具を置けるもの
【コンセント】電動搾乳機の電源の確保
 このような設備を設けることが難しい場合には、搾乳ができる地域施設に行くことを許可するなどの配慮も提案されています。
■ 母乳の保存場所
母乳を保存できるよう、冷蔵庫を用意することが推奨されています。母乳保管専用のものでなくても、共有パントリーに設置されているものでかまいません。

職場環境を整備していくために


 ご紹介したような取り組みを行い、授乳期の社員が働きやすい職場環境を整備していくためにはコミュニケーションが重要な鍵になります。会社と授乳期の社員の間でサポート内容やルールが明確に示され合意されていること、また授乳期の社員、それ以外の社員たちとの間でオープンで活発なコミュニケーションがされることなどは、互いの理解を深め、公平感を保つうえで肝要です。




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