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中国著作権法の手引き(9)

前回中国の著作権法で例示列挙されている権利の制限⑤~⑧まで紹介しました。今回は権利の制限事由について最後の4つを紹介します。


権利の制限(3)


【⑨すでに公表された著作物を無料で実演し、公衆から料金を受けず、実演家に報酬も支払わない場合】
 無料の実演とは、非営利の実演を指します。本規定については、以下の事項に注意しなければなりません。
 第一に、無料の実演は非営利の実演であるということです。例えば、ある企業が宣伝のために無料の実演を主催する場合、一見すると「無償」ですが、実際には広告宣伝であり、間接的に営利を目的としています。
 第二に、実演は公衆から料金を受けてはなりません。中国ではよくチャリティーショーなどの活動が行われますが、受け取った金銭は公益事業に充てられ、営利を目的としていません。ですが、このような活動は公衆から料金を受けるため、無料の実演に該当しません。
 第三に、実演家に報酬を支払ってはなりません。この報酬には、出演料、心付け、一定の金額を超える交通費、食事代等の名目の費用が含まれます。
 最後に、無料で実演される著作物はすでに公表された著作物でなければなりません。また、無料の実演は著作物の出所を明示し、著作権者のその他の合法的権益を尊重しなければなりません。

【⑩屋外の公共の場に設置または陳列された芸術の著作物について、臨模、写生、撮影、録画を行う場合】
 屋外の公共の場に陳列されている芸術の著作物は長期間の公開性および接触可能という利便性を備えています。これらに対し臨模、写生、撮影、録画が許可されない場合、公共の利益に影響が生じるだけでなく、権利保護も難しくなります。そのため、このような使用は合理的な使用とみなされます。本規定において、以下の事項に注意が必要です。
 第一に、芸術の著作物は屋外の公共の場に設置または陳列されていなければなりません。屋内のものは対象外となります。
 第二に、著作物を利用する方式は臨模、写生、撮影、録画のみです。これらで得られた成果物は、合理的な範囲において合理的な方式により引き続き使用可能です。
 第三に、陳列期間について中国著作権法および関連の行政法規には明確に規定されていませんが、学理上および多くの国の規定は長期間陳列されている物のみ対象となり、短期の物は著作権者の同意が必要で、かつ費用を支払う義務が生じると考えられています。

【⑪中国の公民、法人または他の組織がすでに公表し、漢民族の言語・文字で創作された著作物を少数民族の言語・文字に翻訳して国内で出版、発行する場合】
 本規定の注意事項は以下の通りです。
 第一に、漢民族の文字を少数民族の文字に翻訳可能ですが、少数民族の文字を漢民族の文字に、または外国語を少数民族の文字に翻訳することはできません。
 第二に、翻訳した著作物は中国国内のみ出版、発行可能です。
 第三に、翻訳者は中国の公民、法人または他の組織でなければならず、外国人や無国籍者には適用されません。

【⑫公表された著作物を盲人用の点字に改めて出版する場合】
 ⑪の規定と似ていますが、もとの言語が外国語であるか否かの制限を受けることはなく、また翻訳者の国籍および出版地域に関する制限も受けることはありません。




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